文:岩見旦
果てしない宇宙の謎に迫り、私たちの社会活動にも活かされている天文学。近年は人工知能やディープラーニングの発達により、大きな進化を遂げているが、まだまだその全貌は多くの謎に包まれている。
そんな神秘的な領域で、大きな活躍を見せている1人の少女が話題だ。
NASAの小惑星探査プロジェクトに参加した8歳少女
ブラジル北部フォルタレザに暮らすニコル・オリベイラさんはわずか8歳にして、すでに国際的なセミナーに参加したり、一流の専門家と会ったりしたり、「世界最年少の天文学者」として知られている。さらにニコルさんは小惑星探査プロジェクトに参加し、これまで18個もの小惑星を発見してきたというから驚きだ。
ニコルさんが参加した小惑星探査プロジェクトは「Asteroid Hunters(小惑星ハンター)」と呼ばれており、若者に宇宙の発見の機会を与え、科学に親しんでもらうことを目的に、NASAと提携する市民科学プログラム「International Astronomical Search Collaboration」がブラジル科学省と協力して実施しているものだ。
ニコルさんの発見の審査には数年を要する予定だが、小惑星であることが認定されれば、ニコルさんは正式に小惑星を発見した世界最年少記録を更新することになる。ちなみに、これまでの記録は1998年と1999年に18歳で2つの小惑星を発見したルイジ・サンニーノ氏だ。『AFP通信』によると、ニコルさんはこれら小惑星にブラジル人科学者や母親、父親の名前を付けようと考えているという。
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