CULTURE | 2021/10/06

小室圭さんはいつまでバッシングされ続ける?過去にネットで叩かれまくった人物と企業を振り返ってみた【連載】中川淳一郎の令和ネット漂流記(28)

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中川淳一郎
ウェブ編集者、PRプランナー
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紗栄子、和田アキ子、鳩山由紀夫…… まずは叩かれまくる人物編から

【紗栄子】

紗栄子さんは、早稲田大学出身の俳優としてデビューをし、人気ブロガーになった。現在は自身のアパレルブランドを持つなど、実業家としても成功している。宮崎の実家も金持ちである。

俳優としての実績については、恐らくそこまでの代表作的なものはないものの、『ガチ・ボーイ』というドラマのヒロイン役を演じた時は、佐藤隆太との間で恋愛的演出が作中であったがその演技を見る限り「こりゃ、モテるわ……」と思うほどのものだった。なにしろ、男だったら作中の仕草やら話し方がキュンキュン来るのである!

そんな彼女は、日本球界屈指の実力者かつイケメンであるダルビッシュ有投手と結婚。ここから紗栄子さんへのバッシングがネットで加熱したのだ。2ちゃんねるには、彼女のブログを監視するスレッドが脈々と続き、悪口を言い続ける。基本的に紗栄子さんが叩かれた理由は「大して実績もないのに、ダルビッシュほどの男を捕まえた」ということだ。さらには「玉の輿」やら「避妊をせず、計画的に妊娠をし、結婚に持ち込んだ」という勝手な憶測もあった。

前者については紗栄子さんの実家は金持ちなだけにまぁ、当てはまらないし彼女自身も実業家として今や才能を発揮している。そして、後者については、完全に憶測でしかない。

さらに、次男の顔がダルビッシュに似ておらず、ベビーシッターの顔に似ている、という勝手な憶測も出て、いわゆる「ヤリマン・不倫」扱いも発生。その後、紗栄子さんは前澤友作氏と交際をしたが、この時も「計算高い女」扱いをされ、バッシングをされた。もう彼女へのバッシングは13年以上続いている。

【和田アキ子】

和田アキ子さんについては、「エラソー」ということが最大のバッシング対象になっている。そして、「毎年なぜか紅白歌合戦に出ている」という点もそうだ。2016年以降紅白出演はなっていないが、和田さんについては、元々「日本屈指の歌唱力を持つ存在」という評価があったので、紅白に毎年出てもおかしくはない存在である。

ただ、出川哲朗をはじめとしたヨイショをする人々により、和田さんがパワハラ体質のクソ野郎扱いをされてきたのは事実だ。深夜まで酒に付き合わされたり、パンチをされた、といった話はあるものの、これらはネタとして和田さんの「取り巻き」(ネット上の言い方)は話していただけだと思う。

不思議と広告・メディア業界内で和田さんについて悪い話は聞かないのである。理不尽な人物であれば永谷園のCMに数十年も出続けられるわけがない。だが、常に和田さんは叩かれ続けている。もちろん、時々迂闊な発言をすることはある。私がよく覚えているのは、1995年6月の「松本サリン事件」をめぐる和田さんの発言だ。一体何を言ったかはここでは述べないものの、反射的に何かを言ってしまう傾向があり、それは後に検証するとおかしなことになることがある。

とはいっても、そこまで叩かれるべき存在ではない。だが、「和田アキ子」の名前がネットニュース等に出ると「叩かなくてはいけない!」といったモードが発令される人が少なからずいるのである。

【鳩山由紀夫】

この方については正直、叩かれても仕方がないと思う。総理時代も米軍基地移転についてアメリカに「トラストミー」と言ったり、母親から巨額のカネをもらい「子ども手当」などと揶揄された。

引退した後も、ひたすら中国と韓国に阿る発言ばかりツイッター等で行ない、まったく国益を考えていない。正直、こんな男が約1年、日本の総理大臣だったことが考えられないレベルである。しかし、鳩山氏をめぐってはアスキーアート(AA)の「やる夫」をベースとしたキャラが妙な味わいがあり、「ネットのおもちゃ」として2009年頃は重宝する存在だった。

「友愛」という言葉についてもネットでは真逆の「殺す」という解釈をされるなど、印象に残る総理大臣ではあった。ただ、「歴代最低総理」の投票をしたらかなり上位に来るだろう。

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