文:FINDERS編集部
作品を通じて感染症や児童問題に向き合う
キース・ヘリングの作品展「キース・ヘリング:NY ダウンタウン・ルネサンス展」が2023年6月3日から2024年5月6日まで山梨県の中村キース・ヘリング美術館で開催される。
キース・ヘリングは、アンディ・ウォーホルやジャン=ミシェル・バスキアと並び1980年代のアメリカ美術を代表するアーティストの一人。ニューヨークの地下鉄で、使用されていない黒い紙が貼られた広告板を使った「サブウェイドローイング」と呼ばれるグラフィティ・アートを描き始め、ストリート・アートの旗手として活動してきた。
同氏は作品を通して命に関わる感染症との共生、児童福祉教育や人権問題をはじめとする持続可能な社会実現に向けた課題について取り上げ、HIV・エイズ予防啓発運動といった社会活動も行った。
本展では、同氏が活動した1980年代のニューヨークにおける「アンダーグラウンド・カルチャー」「ホモエロティシズムとHIV・エイズ」「社会に生きるアート」「ニューヨークから世界へ」の4つの視点から、同館収蔵コレクションを紐解く。
なかでも日本初公開、世界でも34年ぶりの公開となる壁画「マウント・サイナイ病院のための壁画」(1986年)は、ニューヨークの小児病棟で患者である子どもたちのために制作された幅5メートルを越す大作。同氏がどのように子供たちの未来のために貢献してきたのかを表す重要な作品となる。
マウント・サイナイ病院のための壁画、1986年 シミックホールディングス株式会社所蔵
あわせて、同氏が重視した子どもたちとのプロジェクト「City Kids」にまつわる版画や、アート作品を廉価で楽しめるようにと自ら運営していたポップショップの活動についても紹介される。
「アンダーグラウンド・カルチャー」では、同氏が注目されるきっかけとなった地下鉄構内での「サブウェイ・ドローイング」ドキュメント写真や平面作品を中心に、当時のニューヨークアンダーグラウンドカルチャーの盛り上がりが紹介される。
無題、1982年
そのほか、同氏が通い詰めた伝説的なディスコ「パラダイス・ガレージ」にて写真家ティナ・ポールが撮影した写真や、同氏が壁画を描き磯崎新が改修を担当したクラブ「ザ・パラディアム」を篠山紀信が撮影した写真などが展示される。
ザ・パラディアムに設置されたキース・ヘリングの壁画 photo by ©︎Kishin Shinoyama
関連イベントとして、6月24日・25日に行われる「クイア・フィルム上映会」や翌年2月24日に行われるナイトミュージアム、など6・8・10・12・翌年2月と2カ月ごとにさまざまなイベントが美術館およびオンライン上で開催される。
イベントの詳細は美術館ウェブサイトや公式インスタグラムで随時公開予定。
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『キース・ヘリング:NYダウンタウン・ルネサンス』
期間:2023年6月3日(土)〜 2024年5月6日(月)
会場:中村キース・ヘリング美術館
料金:大人:1500円/16歳以上の学生:800円/障がい者手帳をお持ちの方:600円