スマホ向けOSとアプリケーションプロセッサーのシェア
スマートフォンは、OS(オペレーティング・システム)によって基本的な機能からアプリケーションの実行までを行っている。現在のスマートフォン向けOSのシェアはグーグルの提供するAndroidが74.3%と大半を占めている。これは、スマホシェアトップのファーウェイとサムスンが共にAndroidを採用していることも大きな理由だろう。そしてアップルの提供するiOSがシェア25%と、概ねこの2つのアメリカ企業によって市場は構成されている。しかし、米中貿易摩擦にともない、グーグルがファーウェイへのAndroidの提供を停止したこともあり、ファーウェイは代替として、独自に開発した「ハーモニーOS」を昨年8月に発表。スマ―トフォン向けOS市場に風穴を開ける存在となるか、注目が集まる。
アプリケーションプロセッサー(AP)は、スマートフォンの脳みそのようもの。OSの実行やグラフィックの表示など、機能の中枢を担うパーツだ。シェア1位は米国のクアルコム。市場の29%を占めている。2位は台湾の半導体メーカー、メディア・テックが26%。そして3位は中国の半導体メーカー、ヒシリコンが16%。近年ファーウェイはクアルコムからこのヒシリコンのAPの使用を増やしており、市場のバランスは変わりつつある。
日本ではソニー、シャープといった国産メーカーのモバイル機器を使用している人も少なくないが、世界的にみればすっかり存在感を失っていることがわかる。対して、ファーウェイを筆頭に中国企業がどの分野でも市場を席巻。世界一のモバイル機器大国と言っても差し支えないだろう。そんな中、”世界一の企業”としての威厳を見せつけたアップルも流石だ。すべての分野において一定のシェアを確立しており、まだまだ人気は続きそうだ。今後ますます激化していくであろうモバイル機器市場の競争に、これから日本企業が食い込んでいけるのか、注目してきたい。