ブログのコメント欄を閉鎖する芸能人
こうして芸能人が理不尽な批判に晒される例を見てきたが、ネットでは常に芸能人と罵詈雑言がセットになっている面がある。2ちゃんねる(現5ちゃんねる)、ブログのコメント欄、ツイッター、インスタグラム、YouTube、そしてニュースサイトのコメント欄などがその現場である。
あまりにも「荒らし」が多い上に罵詈雑言が寄せられるため、いつしかブログのコメント欄を閉鎖する芸能人だらけになり、アメブロの場合は運営側により管理され、罵詈雑言や不適切なコメントは表示されないようになっている。
私もネットニュースの編集者としてかつてはコメント欄を解放していたが、あまりの内容の酷さに閉鎖した。それを読んだ当事者が傷つくのを恐れたほか、「無秩序な場所を放置した」などとして訴えられるリスクを勘案したのである。
どうやら芸能人というものは「サンドバッグ」にしても良い存在だと思われているらしい。それを「有名税」という言われ方をするし、「金持ちなんだからいいだろ」とも思われている。あとは「人気商売だから反撃してこないだろう」と思われているのかもしれない。それでいてたとえばツイッターで反撃をくらうと「フォロワーが多く影響力のある人が私のような一般人を反撃するのはおかしい」といった理屈をこねる。さらには「信者に攻撃するよう暗に命令した」などと分析されることもある。
いや、違うのだ。芸能人や著名人であろうとも一人の人間なのである。それは『テラスハウス』に出演していたプロレスラーの木村花さんが散々罵詈雑言をネット上に書かれ、それが理由かは分からぬものの自殺の可能性もあると見られる亡くなり方をした。
この時、さすがにネット上では「やり過ぎた」とばかりにシュンとする者が多かったし、執拗に彼女の悪口を書いていた者はIDを消して逃亡した。これから木村さんの母親による誹謗中傷者の特定及び裁判、という流れになる可能性もあるが、喉元過ぎれば熱さを忘れる。
その後、お笑いコンビ・アンジャッシュの渡部健の不倫が発覚した時、人々は渡部を猛烈に叩き続けた。時に「渡部さんが自殺したらどうするんですか?」と諌める声も書かれたが、「それだけの悪事をこいつは働いた」と反論される。これは今回の中村獅童に対する声と同様だ。