CULTURE | 2020/09/16

DNA採取と偽り、女性の口の中に綿棒を挿入!元巡査部長の内に秘めた欲の行方【連載】阿曽山大噴火のクレイジー裁判傍聴(17)

Photo By Shutterstock
過去の連載はこちら

阿曽山大噴火
芸人/裁判ウォッチャー
月曜日...

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • line

日本の存亡が問われる小さな法廷

Photo By Shutterstock

そして、被告人質問。まずは弁護人から。

弁護人「なぜ、こんなことしたんですか?」
N被告人「仕事のストレスから起こしてしまったのかなと」
弁護人「どんなストレスですか?」
N被告人「そうですね…。仕事ができないことで、上司から嫌味な無言の圧力が耐えられませんでした」

罵倒されたとか殴られたとかじゃなく、無言。何もなかったんじゃないかって気もするけど。N被告人としてはストレスがたまってたんでしょう。

弁護人「自分がやってたとこがどんな法律違反になるか、当時わかってましたか?」
N被告人「それはわかってませんでした」
弁護人「警察の内部規則違反とかは?」
N被告人「よくわかってなかったです」

DNA型を採取するって一般市民にウソついてるわけですからね。もし被告人が警察じゃなかったら、暴行なのか強制わいせつなのか。何とも、カテゴリー分けが難しい事案でもあります。被告人本人も悪いことしてるという認識はありながら、何の違反かはわかっていなかったようです。

弁護人「あなたは1年間勉強して警察官になってますね。それだけなりたい職業だった?」
N被告人「小さい頃から憧れの職業で、親を安心させたかったのもありました」
弁護人「警察官ってどんな存在ですか?」
N被告人「困ってる人を助ける存在です」
弁護人「報道もされましたけど、社会の人は警察をどう思います?」
N被告人「信用なくなります……」
弁護人「そうなると、どんな弊害がありますか?」
N被告人「協力してくれなくなります」
弁護人「本件も信用されてるから遂行できたわけでしょ。警察が世間から信用されなくなって、捜査協力されなくなったら国として成り立つ?」
N被告人「成り立ちません!」

質問がかなり大袈裟。小さな法廷で日本の存亡が問われているなんて、世間の人はまったく知らないでしょうね。警察の信用度が国の成り立ちにそんなに影響与えてるんですかね。中には変なヤツもいるくらいの認識だともんですけどね、多くの人が。

弁護人「取調では全部で16件やったと供述してますけど、これはどうやって数えたんですか?」
N被告人「警察官と現場に行って、『ここで声を掛けました』と引きあたり捜査をしまして、刑事課の方から16件だったよ、と」
弁護人「16件すべてやったんですか?」
N被告人「いや、拒否されたこともありました」

いくらなんでも変だと思った女性もいたようですね。

弁護人「2件目と3件目の被害女性とは示談が済んでますけど、1件目のイタリア人女性とはどうなってますか?」
N被告人「コロナで出国してて、連絡がつかない状況です」
弁護人「もし向こうから連絡あれば、起訴されてない人も含め、弁償するつもりあります?」
N被告人「はい」

この後、謝罪の言葉を述べて、質問終了です。

 次ページ:「性欲を満たすためじゃないんですか?」