株式会社シー・エヌ・エスは、FINDERSの運営会社である株式会社シー・エヌ・エス メディアのグループ会社で、イベント、グラフィックデザイン、ウェブ製作、映像製作、アプリ・システム開発を行う総合広告制作会社です。
クリエイティブ制作に関する様々な機能が社内にありますので、案件の業種もIT・通信、医療、製造、公共、映画、コスメ業界など多様で、規模も1万人を超えるものもから10名程度の小規模なものまで、企画、製作、本番進行まで一気通貫で行なっております。
実は弊社では、5Gが主流になった後の準備として、イベントにおけるDXを考え、“オンラインイベント”の可能性を探っていたところだったのですが、そこに、新型コロナによるイベント自粛の嵐が起こり、別の角度からその対応が加速しました。
「ウェビナーは格安でできる」は本当か
3月~5月ごろにかけて、多数の「コロナ以後、これからの○○」といったテーマのオンラインイベント、ウェビナーが多数開催されました。ZoomやYouTube Liveでの配信自体は極論すればPCやスマホ1台あればできてしまうため、ベンチャー企業、IT企業の社員などを中心とした、個人単位で実施する配信を観た方も多いと思います。
新型コロナの影響で、我々もフィジカルなイベント制作の仕事がほぼ全て中止・延期となり、急遽オンラインイベント、ウェビナーに対応できる制作体制を整えて、我々としてのウェビナーの考え方と提供サービスまとめました。
ありがたいことに多くのクライアント様からお問い合わせをいただけたのですが、残念ながら予算面で折り合いがつかなかったことも少なからずありました。
中でも多くいただいた声が「オンラインだから会場費とかもかからないし、格安で実施できると思っていたんだけど…」というものです。確かに、ウェブ会議にも慣れ、その延長で自分たちでもできそうではありますから、安く実施できそうなイメージがあるのはよくわかります。
また、「ウェブ配信」をサポートする会社さんもいくつかありますが、サポート対象となるのは、あくまで“配信”部分のみです。
一見、簡単そうに見える配信ですが、いざ実施しようとなると
「始まる前の画面設定はどうするんだっけ?」
「講演者には残り時間を誰がどうやって伝えるんだっけ?」
「視聴者からの質問の選定は誰の役目?」
「もう話し始めていいの?」
といった本番でのトラブルが多発しているという事例も聞こえてきます。
今回の記事では、「最適なウェビナーをどう設計すればいいのか」という話を中心に書いてきたいと思います。
リアルイベントとウェビナーの違い
マーケティング活動の目標が「認知拡大」から「購入後サポート」まで幅広くあるように、ウェビナーの開催も「達成したい目標はなにか」という観点に基づき細かく最適化をしていく必要があります。
リアルイベントとウェビナーの最大の違いは「視聴者に主導権がある」ということです。詳しくはこの図を見て欲しいのですが、ウェビナーの場合は視聴者がいつでも離脱可能で「ながら視聴」もできる、一方講演者がカメラ越しの視聴者を惹きつけるような、既存のプレゼンとはまた少し違った能力が求められます。
つまり、リアルイベントとして行っていたセミナーをそのままウェブ上で行っても、リアルイベントと同様の熱量は伝わらない可能性があるということです。また、「録画した動画」として見せるのであれば、世の中にハイクオリティな企業プロモーション動画は多数存在しており、わざわざウェビナーのかたちを取る必要もないとも言えてしまいます。そしてテレビ番組のようなリッチコンテンツにすれば視聴者のアテンションも得やすいかもしれませんが、それだけの予算・リソースを常に割くというのも難しいでしょう。
「ウェビナーの最適化」とはなにか
ウェビナーにおいて主催者が気にすべき項目は、
・配信方法と視聴画面の演出
・ウェビナー配信画面のデザイン
・ライブで行うパートと収録で行う部分の使い分け
・コンテンツに合った時間尺の調整
・キャスティング、スピーカートレーニング
・配信会場の設営
・配信システムプランの策定・構築
・リハーサルの段取り・本番時の進行とスタッフィング
など、多岐にわたります。
シー・エヌ・エスでは、イベント制作と映像製作で積み重ねてきたノウハウを組み合わせてウェビナーの企画構成・事前準備・リハーサル・本番進行・事後作業までを想定し、最適なプランニングをご提供いたします。
そもそも、配信プラットフォームは何を使えばいいのか
上記の「主催者が気にすべき項目」については既存のイベント制作の延長で考えられる部分も多いのですが、ウェビナーを新たに開催するにあたって最初に頭を悩ませるのは「どの配信プラットフォームを使えばいいのか」という点ではないでしょうか。
それぞれ大枠は同じように見える各配信プラットフォームでも、「視聴者とどのようにコミュニケーションできるのか」、「視聴ログはどのように取れるのか」、「ターゲットとなる企業のオフィスからセキュリティ的にアクセス可能か?」などの点でもこれだけの違いがあります。
3つのプランで比較!ウェビナーの「予算」をどう考えればいいか
では、そうした「最適化されたウェビナー」を開催するための体制や機材の規模などをどのように見積もっておけばいいのか。今回の記事では
・配信プラットフォームの機能で完結させるシンプルなライブ配信(視聴者数100名まで)
・映像スイッチャーを使用したリッチな画面演出によるライブ配信(視聴者数100~500名)
・イベントステージやテレビ番組風ライブ配信(視聴者数1000名まで)
という3つのプランについてご説明したいと思います。
なお、実際のPDF資料では想定予算規模も記載しているのですが、こちらは記事の最後に記載するメールアドレスにお問い合わせをいただいた方のみにお渡しするかたちとさせていただきたいと思います。ご了承くださいませ。
①配信プラットフォームの機能で完結させるシンプルなライブ配信(視聴者数100名まで)
これはCisco WebexやZoomウェビナーといった、そのツールだけでウェビナーを完結する最もシンプルなプランです。
我々は、参加者登録やウェビナーの設定といった管理機能のサポートと、本番中に誰を表示させる。誰の画面を共有するなどの画面操作に加えて、先述の「始まる前の画面設定はどうするんだっけ?」「講演者には残り時間を誰がどうやって伝えるんだっけ?」といった落とし穴になりそうな部分をケアしつつ、リハーサルや本番進行も行います。
例えば画面共有をする際、視聴者が見ている画面をイメージしながら、「誰のカメラ映像で固定するのか」「画面共有のOn/Offのタイミングをどうするのか」という操作ひとつとっても、事前にしっかり決めておかなければ意外と手間取ってしまうものです。そういった操作やタイミングも細かく整理します。
また、ウェブ会議でも経験していると思いますが、“音声”のクオリティがウェビナーでは非常に重要です。最後まで視聴してもらう、内容が伝わる。音声のクオリティはそのための最も重要な役割を担っていると言っても過言ではありません。だからこそ我々がサポートする際には、シンプルなものであってもマイク機材は外付けしてシステムを構築しています。
②映像スイッチャーを使用したリッチな画面演出によるライブ配信(視聴者数100~500名)
例えば「配信中にリアルタイムでテロップを入れる」といったご要望など、配信ツール単体でできることには限界があります。それを超えて視聴者を引きつける演出を実施したい場合や、コンテンツ自体のクオリティがブランド体験として視聴者にポジティブな影響を及ぼすような内容にしたいと考える場合にお勧めしています。
自社サービスの紹介を行うだけではなく、何らかのテーマを設けた“イベント的”なウェビナーを行う場合には、出演者の数を増やす、スポンサーロゴやイベントタイトルを画面にあしらう、話している話題のテーマをテロップとして画面に表示しておきたいといった、配信画面の構成にこだわる必要が出てくる場合があると思います。そんなときには、映像スイッチャーやカメラマンスタッフを起用して、“絵作り”にこだわってプランしていきます。音声の次にこだわるのが、画面デザインというわけです。
③イベントステージやテレビ番組風ライブ配信(視聴者数1000名まで)
テレビのニュース番組・情報番組において、スタジオにいる出演者と遠隔から出演している人をモニターに登場させ、それをカメラで捉えて放送している例が多数出てきましたが、同様のクオリティの配信を行いたい場合のプランです。
このプランの場合、フィジカルイベントのステージとしてコンテンツを完成させることもできるので、お客さんを限定数入れて、オンラインイベントとのハイブリット開催(同時開催)などにも向いています。
音声、画面デザインの次にこだわるのは“演出”です。
コンテンツを視聴者に届ける際には、“情報”を届けるだけでなく、同時に“感覚”的なものも画面を通じて伝えていきます。我々は長年リアルイベントのステージで企業・ブランドやイベントの世界観を感じていただくことや、ワクワク感を生み出すような「会場に足を運んでくれた人をあっと驚かせる仕掛け」などにこだわってきましたが、オンラインでも同じように熱量を伝えられるよう、工夫を重ねてまいりたいと思います。
お問い合わせはこちら!
ウェビナー開催や費用のご相談、および今回の記事で掲載した資料(PDF)の完全版をご希望の方は、
webinar@cnsinc.jp(担当:古田)
までご連絡をお願いいたします。完全版ではこの記事でお示しした3つのプランの大まかな予算についても記載をしています。
我々シー・エヌ・エスが評価頂いている点としては、クリエイティブ業務をワンストップで提供している点に加えて、BtoB企業による株主総会や記者発表会などの仕事で身につけた、緻密に丁寧に、とにかく堅実に仕事を進めるタイプの案件と、一方で奇抜なアイデアが求められるBtoC向けの案件のどちらにも携わってきている点です。
クライアントの皆様から、よく「斬新なアイデアをお願いします」とリクエストを受けることがあるのですが、詳しくヒアリングをしてみると「斬新=奇抜」ではないことも多いです。施策を考える上で、例えばIT・通信業種ではスタンダードなプロモーション手法であっても、医療業界ではまったくその考え方がなかったり、その逆の場合も多々あります。つまり、他業界でスタンダードな考え方や手法を別業界向けに応用できるよう転換して、新しい提案を作るということを数多く行ってきました。
今、注目を集める“ウェビナー”をプロデュースする際にもこの考え方はとても重要です。主催者側の注目の集まり方に「リアルイベントができないからウェビナーで」といった、止むを得ず感もありますが、オンラインの特性を活かした前向きな取り組みがきっとできるはずです。
ウェビナーというメディアコンテンツをターゲットに届けるにあたり、“セミナー”と“動画”と“番組”の構成要素と特徴を細かく因数分解して、業種別のプロモーション方法×コミュニケーション目標に合わせて最適化したウェビナーを構成し、オペレーションにおいては事故のない安全な配信をプロデュースすることが重要だと考えております。