CULTURE | 2021/08/18

機内で客室乗務員のお尻を揉んだ童貞男性37歳、JALでもANAでも強制わいせつの過去【連載】阿曽山大噴火のクレイジー裁判傍聴(28)

Photo by Shutterstock
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阿曽山大噴火
芸人/裁判ウォッチャー
月曜日...

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高額な航空代の出どころはおばあちゃん

続いて検察官からの質問。

検察官「なぜファーストクラスだったの?」
X被告人「新しい機体なので予約しました」
検察官「客室乗務員からのサービスがいいからとか?」
X被告人「いや、そういう理由じゃないです」
検察官「往復10万円くらいでしょ。簡単に払える経済状況でした?」
X被告人「払える状況じゃなかったです」

無理してのファーストクラスでの往復だったようです。それくらい飛行機好きってことなんでしょうか。鉄道だったら乗車好きの乗り鉄ってのは聞いたことあるけど。

検察官「犯行前に以前の事件を思い出さなかった?」
X被告人「顔は知られてるかなと思いました」
検察官「それなのになぜ踏みとどまれなかったんですか?」
X被告人「話しかけると話してくれるので、ヘンな気持ちになってしまいました」
検察官「う~ん…。さっき、女性とのコミュニケーションが苦手って言ってましたね?」
X被告人「あ、いや…男性も含め苦手です」
検察官「その一方でね、知らない人のお尻を触ることができるってのはどういう感覚なんですか?」
X被告人「話しかけたら話してくれるので……いいかな……と」

どういう理屈なのやら。そんなことになったら、街中でお尻触られ放題ですよ。弁護人からの質問で、犯行の原因として童貞であると自己分析していたけど、そこじゃない気が…。

検察官「取り調べでは、治療を受けると。治療が必要だと思ってるんですか?」
X被告人「いや、あの、診てもらって。言動とか酷いなと自分でも思っているので。その点を改めなければと思っています」

と、病院行って、カウンセリングを受けると約束してました。

最後は裁判官から。

裁判官「同じようなことして逮捕されたことがあると。繰り返せばまた捕まるとは思いませんでした?」
X被告人「いや…考えていなかったです」
裁判官「う~ん。こういうことやったらね、飛行機の中で逃げられませんよね?」
X被告人「はい」
裁判官「あ!お酒飲んでた?」
X被告人「飲んでないです」

シラフの状態での犯行だったようです。

裁判官「ファーストクラスだとお金かかりますよね。航空代ってどうしてたんですか?」
X被告人「おばあちゃんに出してもらったり、遺産が入ったりしました」

どうやら他人のお金でファーストクラスに乗って、客室乗務員さんに性的いやがらせを繰り返していた人みたいですね。

この後、検察官は懲役1年6月を求刑。

判決は後日かと思いきや、弁護人と裁判官が集まって、ゴニョゴニョと相談して、即日判決です。

裁判官「では判決を言い渡します。主文!被告人を懲役1年6月に処する。この裁判が確定した日から3年間刑の執行を猶予する」

偶然にも執行猶予とJALの搭乗拒否がまったく同じ3年とはね。


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