NFTを分割して複数人で所有することができるフラクショナルNFT
複数のNFTを組み合わせて新たなNFTにするのがコンポーザブルNFTなら、逆の発想で、一つのNFTを複数の人が所有できるようにするのが、フラクショナルNFTです。これを利用すれば、非常に高額なNFTアートを、フラクショナルNFTを使って分割し、共同所有する形にして、多くの人が所有することが可能になります。そうすることで、流動性を高め、価値を上げていくこともできます。いわば、マンション一棟で売買するのではなく、分譲にして部屋ごとに販売するようなものです。
フラクショナルNFTの例としては、中国のDODO NETがあります。NFTを登録すると、フラクショナルNFTを利用して、小さい金額での売買が可能になります。ただ、どちらかというと、DEX(分散取引所)と組み合わせて運用されていることが多いので、投資の一つとして見られています。
また、フラクショナルNFTは、株式証券と同じような仕組みになるので、技術的には可能であっても、実際の運用となると、国によって法律の違いから、ハードルの高いものになるでしょう。実際に、アメリカ証券取引委員会(SEC)のヘスター・ピアース委員は、投資商品に該当する可能性があると警告しています。
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