EVENT | 2021/07/27

組織に頼らず生きていくためのSNS戦略【連載】森若幸次郎のイノベーションのレシピ(2)

多様な働き方が認められはじめ、SNS等を駆使して発信力を高めることができれば、個人でも自分の価値を高め、人の役に立つこと...

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SNSは、あなたの良きビジネスパートナーです

ーー ビジネスの種となる「お困りごと」は、どのように探しているのでしょうか?

一条:主にSNSを活用しています。SNSは交流を中心としたメディアですので、お困りごとが発見しやすいのです。例えば「〇〇についてお困りの方/ご興味のある方いらっしゃいますか」と問いかけて、ご興味を示してくれた方々のみのグループを作り、アンケートに答えていただたりすることもあります。

また、オンライン会議システムを使用したり、リアルにランチ会を開催したりして、直接お困りごとを聞かせていただいたりもします。

そして、見つけたお困りごとに対する解決サービスができたら、「こんなサービスができましたがいかがですか?」とお声がけすることもできるので、個人事業主の方やこれから起業するフリーランスの方にとって、SNSは良きビジネスパートナーになると思います。

ーー これからSNSを活用しようと思われる方は何から始めればいいのでしょうか?

一条:まず、集客コンセプトを明確にすること。つまり「何に困っている誰をどう幸せにするのか?」「どんな“変化”を提供するのか?」を明確にすることです。その後は、見込みのお客様が使っているメディアを選び、「先に与える」姿勢で発信をしたらいいと思います。

集客コンセプト設計のポイントは、未来のお客様にとって役に立つ企画であること。お相手が求めていることを、お相手にとってわかりやすい言葉で表現することになります。また、ターゲットを明確にすることも大切で、最初は自分と共通点があるターゲットを想定した方が、リアルな反応をイメージしやすくていいと思います。

SNSツールに関しては、まずは、1つのツールを徹底的に使いこなすことをオススメします。同時にいくつも始めずに、1つのツールを戦略的に使えるレベルまで使いこなして、そこで得たノウハウやフォロワーを活かして他のツールを活用した方が効果的です。

SNSマーケティングと英語学習は似ている部分があって、努力の積み重ねが大事です。私はSNSを始めたばかりの頃、二日酔いでも、熱があっても、お正月でも毎日更新しました。「こんなことして何になるんだろう…」と感じる時期を乗り越えると、これまで点で捉えていたSEO対策・アナリティクスなどのポイントがつながって線となり、「いつまでに集客するには、いつから種を蒔こう」「こういう時期だから、こうやってフォロワーを伸ばそう」といった戦略を練ることができるようになります。そうやって使いこなせるようになると、途端に楽しくなります。

ーー SNSを活用する上で、気をつけた方がいいことはありますか?

一条:「フォロワーの数を増やすこと=集客ではない」ということは念頭に置いておいた方がいいですね。先ほどお伝えした、戦略的に活用する楽しさに辿り着くまでは、モチベーション維持のために数字を追う時期があってもいいとは思います。ただ、映える写真を投稿して、いいね!を集めるだけでは、集客も収益化もできません。いいね!数やフォロワー数は多いにこしたことはないですが、見る数字はそこではない、ということです。 

ビジネスでの活用ですから最終的には、売上・利益率を見ていくことになりますが、そこに至るまでは各メディアの分析ツールをよく見てPDCAを回していくことが大切です。 

また、収益を安定化させたいなら、リスト系のメディア(公式LINEやメルマガ)の組み込みが必須です。SNSは相手が利用をやめてしまったら、そこで縁が切れてしまいます。それではもったいないですから、自分に興味を持ってくれた方に「〇〇についてはメルマガで!」といったように、より知りたいと思ってもらえる情報を発信することでリスト系のメディアに登録してもらうことが大切です。 

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