CULTURE | 2021/06/25

日本初!フィジカル&バーチャルNFTアート展「CAJ」開催。日本発世界で活躍するクリプトアーティストとコレクターが集結

文:米田智彦
6月21日、東京・神楽坂の神楽音で、NFTアートの展覧会「CAJ EXB」(CAJ=CRYPTO ART...

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • line

NFTの普及にはコレクターの参画が重要な鍵となる

今回アーティストだけでなく、コレクターも招聘した意味については、

「NFTマーケットはまだ黎明期にあり、NFTの可能性に気づいたアーティストたちが次々に参入している状態です。ですが、アーティストがたくさんいても、その作品を評価したりコレクションするコレクターがいなければ、需給のバランスは崩れ、NFT業界の発展にとって不利となるでしょう。そこでCrypto Art Japanでは、本展示を通じて、コレクターの視点でコレクションした作品も展示することで、より幅広い視野でNFT、クリプトアートの文脈を示すことを意図しました。また、今後増えてくるであろうNFTの展示やNFTの二次利用などに関しての事例を考えていくためにもこういった実験的な試みや機会は必要かつ重要だと考えています」

来場者の反響についても訊いたみたところ、以下のような声が挙がったという。

「CryptoArtが一つのムーブメントとして確実に拡がっているのを実感するイベントでした」

「作品にフィジカルな展覧会で触れることも、NFTへの熱を現場で共有することも、かつてない体験でした。ワクチン接種後、リアルのコミュニケーションが再開したら、新しいフェイズに入る予感」

「アーティストだけでなく、作品とコレクターにもフォーカスされていたのも、おそらくNFT独特のカルチャーになる」

「NFTアートの可能性を間近で感じることができた。また本編が開催された際にはぜひ参加したい」

「初めてNFTアートを壁面全体に投影される大画面で見て、その迫力に感動した!」

最後に今後NFTアート界で目指すもの、今後の日本のNFTシーンに望むことについてコメントを求めた。

「私自身の活動として、クリプトアーティストのコミュニティ(NFT & Cryoto Art Japan)を主宰・運営するとともに、まだまだ黎明期だとも言えるNFTアートの世界で、より広く、よりたくさんの人に楽しんでいただけるようにNFTアートの業界を広げていけることを目指しています。

日本のNFTシーンと海外シーンとを線引きしてしまうことなく、ボーダレスにどんどん日本のアーティストたちも海外に進出していけるように、グローバルな視野とコミュニケーション能力を持ったアーティストたちがどんどん育っていくといいなと思っています。私もアーティストコミュニティの運営者としてそこを支援したいと考え、アーティスト支援プラットフォームの立ち上げを企画しています。

それと同時に、アーティストの作品を評価していくコレクターやキュレーター、ギャラリー的な視点を持った人たちがもっと参入してきて、NFTアートの魅力が伝わったり、価値体系がよりしっかりとしたものになっていくことにより、マーケットが広がり、よりたくさんの人が安心してNFTアートを購入することができるようになると考え、コレクターに重きを置いたNFTアートのあり方も探っていきます。

NFTアートの普及のための、アーティスト支援プラットフォームや、フィジカル展示のためのソリューションにも取り組み、プロジェクトを立ち上げてプロダクトの開発を進めているところで、これから資金調達を計画しています。今後もこのようなフィジカルとバーチャルとを融合させたハイブリッドな展覧会やイベントを積極的に開催していこうと計画しています。

7月にはCAWA in Tokyoと題して、シンガポールを拠点としたCAWA (Crypto Art Week Asia) というクリプトアートフェスティバルの東京サイドの主催として運営をしており、バーチャル展示をNFT上の仮想空間「CryptoVoxels」などで 7/9〜7/17の日程で, フィジカル展示を東京・渋谷のCIRCUS TOKYOにて 7/12〜7/16の日程で開催いたします。ぜひこちらにも足を運んでいただけたら嬉しいです!」

まだまだプラットフォームも参加するプレイヤーもアートの購買者も手探り状態とも言えるNFT業界だが、世界中で日に日に熱が高まりファンが増えていることをSNSを通じて感じることができる。日本でも今回のようなフィジカルとデジタルを融合させたNFTアートの展覧会も数多く開かれ、リアルに作品に触れる機会が増えることを期待したい。


prev