文:行磯イサカ
キャプテン・アメリカの新境地にアメコミファンが注目
アメコミの旗手マーベル・コミックスは、『キャプテン・アメリカ』の生誕80周年を記念し、キャプテン・アメリカの限定シリーズ『The United States of Captain America』の発売を発表。プライド月間に発売されるこのシリーズに、『キャプテン・アメリカ』史上初となる、LGBTQ+の新ヒーローが登場する。
ストーリーは、初代のキャプテン・アメリカであるスティーブ・ロジャースが、バッキー・バーンズ、ジョン・ウォーカー、サム・ウィルソンら歴代のキャプテン・アメリカとともに盗まれたシールドを探す旅として描かれる。その中で、LGBTQ+のキャプテン・アメリカであるアーロン・フィッシャーと出会う。そのキャラクターは「地下鉄道のキャプテン・アメリカ~宿のない逃亡者たちを匿うために立ち上がった大胆不敵な10代の若者」と説明されている。
このシリーズの脚本家のジョシュア・トルヒーロ氏は、プレスリリースで「アーロンは、クィアコミュニティのヒーローたち、活動家や指導者、よりよく生きることを求めるすべての人々にインスパイアされている」「彼は虐げられた者、忘れ去られた者の味方だ。彼のデビューストーリーが読者の共感を得て、次世代のヒーローを鼓舞することを願っている」とコメントしている。
また、アーロン・フィッシャーのデザインを担当したのがトランスジェンダーのアーティスト、ヤン・バザルデュア氏であることも注目すべきポイントだ。バザルデュア氏は「編集者のアラナ・スミスとジョッシュ・トゥルヒーヨには、アーロンを生み出すように依頼してくれたことを本当に感謝したい。私はトランスジェンダーの人間として、とても楽しみながら彼をデザインした。社会の隠された人々を助けるために悪と戦うキャプテン・アメリカに敬意を表し、オープンなゲイであると紹介できることを嬉しく思う」と語っている。
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