CULTURE | 2021/03/22

パリの巨大地下駐車場が有機キノコ農場に大変身!違法行為が横行していた廃墟から新ビジネスが誕生

文:滝水瞳
シイタケやヒラタケ、マッシュルームなどを栽培
フランスに拠点を置くスタートアップ企業「Cycloponi...

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地下農場ならではのメリット

このビジネスは消費者と生産者の双方にメリットが多く、Cycloponicsの共同創設者テオ・シャンパニャット氏は、「現在は全人口の70%が街に住んでおり、現地の生産者やオーガニック商品には需要がある」と語る。

『Tree Hugger』によれば、地産地消のため、配送コストや時間もかからず、収穫したその日に消費者の元に届く。また、市内では自転車を使う取り組みも盛んになっており、小売業者を周る際は自転車を利用した排出ガスのないエコロジーな配達が可能となった。「生産的で尊い都市農業モデルを構築し、明日の都市を再考し、新しい生産方法を描き、時として誤解されがちな農家のイメージを変え、地元の新しい雇用を創出し、地域を活性化させたい」と公式サイトに記されている。現在10人のスタッフが栽培を行い、週100〜200キロほどのキノコを収穫。余った野菜はフードバンクなどに送っているという。

無法地帯と化した地下駐車場がキノコ農場に生まれ変わったように、新型コロナウイルスの感染拡大など世界を悩ませる問題からも新しいビジネスが誕生するはずだ。


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