動きをスムーズにするアクションプリーツ
着心地や動きやすさを叶える作りとして特筆すべきが、もうひとつ。背面にさりげなく施されたアクションプリーツの存在は大きい。
アクションプリーツとは、カジュアルジャケットや作業着などの背面に用いられるヒダを指し、上半身の動きをスムーズにする作りのこと。肩周りに負荷がかからないバイカー仕様なのもポイント。
腕の曲げ伸ばしがしやすいように深めのジップアップを配した、バイカー仕様の袖口。
ファッション性と防寒性を兼ね備えたエレガントな裏地
見た目はカジュアルなライダースジャケットながら、裏地の作りのていねいさにも目を奪われる。
赤のサテンの裏地は、アウトドアのアウターなどにも使われる、高機能中綿素材でしっとりしなやかなタッチの3Mシンサレートを採用。
この素材をキルティングすることで防寒機能が高められている点も、まだまだ寒さが続く季節におすすめするゆえんだ。
右の前身頃裏地にあるポケット。
風速が1m上がるごとに体感温度は1度下がると言われているが、そもそもライダースジャケットは、ライディングに耐えられるように防風性に優れたアイテム。
インナーにニットを着てマフラーでも巻けば、まだ寒さが残る時期の街着としても十分対応できるはずだ。
意外と手入れも簡単!
気になるのは、レザーの手入れについて。しかし、意外と手入れはシンプルかつ簡単だった。
デザイナーの渡久地氏おすすめの手入れ法は、シーズンインする着始めにオイルを塗ってコーティングし、シーズンオフにクローゼットにしまう前にやわらかい布で汚れを落とすこと。
また、雨で濡れた時は、表面全体をやわらかい布で水拭きし、陰干しして自然乾燥させてから軽くオイルを塗ってコーティングすることで、シミが防げる。ちなみに衣替えで収納する前にオイルを塗り込むとカビる原因になりやすいのでご注意を。
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重厚感とクールさを兼ね備えた「フェノム・シングルバイカージャケット」。カスタムメイドのため、素材選びをはじめ、オーダーから完成までは、1〜2カ月ほど。(混雑ぐあいにもよる)。
素材は、上記で紹介したポニーハイドやシープスキンをはじめ、牛革、ムートン、ラムスキン、ホースハイド、カーフスキンから、ゴートやディアスキン(蝦夷製もしくはニュージーランド製)まで実に幅広く選べるのも魅力。
インナーにシャツやニット、ボトムにウールのパンツを合わせてスマートに決めるもよし、よりカジュアルにデニムに合わせるもよし。
着る人の器が試される存在感のあるアイテムだが、大人の遊び心とエレガンスをこれほど表現できるアイテムもそうないだろう。
MIGUEL BLANCAS/フェノム・シングルバイカージャケット価格23万円〜。