取材・文・構成:庄司真美 写真&スタイリング:駒田達哉 特別協力:TABLEROCK
春を目前に、三寒四温が続く季節。
梅雨が始まるまで着られるアウターとして今こそ手にすべきが、レザーのライダースジャケットだ。
あえてダブルを選び、「ロックテイストに攻めたい」という人は除き、多くのビジネスパーソン諸氏におすすめなのは、断然コーディネートしやすいシングルライダース。
そこで今回は、ライダースジャケットの新鋭メゾン「MIGUEL BLANCAS(ミゲルブランカス)」の「フェノム・シングルバイカージャケット」を紹介したい。
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ライダースジャケットの新鋭メゾン「ミゲルブランカス」
「MIGUEL BLANCAS」の公式サイトより。同ブランド主力アイテムのひとつであるシングルバイカージャケット。
“メイド・イン・トーキョー”が示された「MIGUEL BLANCAS」のブランドタグ。
革の仕立て技術を独学で学び、ライダースジャケットのオーダーメイドを始めたデザイナーの渡久地ミゲル氏が、自身のブランド「ミゲルブランカス」を創設したのは、2013年のこと。
やがてH.P.FRANCE運営のセレクトショップ「TIME&EFFORT 松屋銀座POPUP STORE」に新鋭ブランドとして参加するや否や、優れた革の仕立て技術と洗練されたアイテムがたちまち評判に。2017年よりアトリエ兼ヘッドショップを東京・代官山にオープンするに至る。
重厚感と存在感のあるレザージャケットは特に、着た時の“サイズ感”が重要なアイテムだ。
なんと言っても同ブランドの真骨頂は、テーラーメイドゆえに1人1人のサイズに合った、自分好みのライダースジャケットを作れることにある。
同ブランドでは、好みや予算に応じてフルーオーダーとイージーオーダーからチョイスでき、既製服にはない自分だけの1着を求めることができるのだ。
しかも、自社アトリエにてデザイナー自身が採寸から関わり、裁断や縫製などのすべての工程を手がけ、製作されている。つまり、渡久地氏は優れたデザイナーであり、優れた職人でもあるのだ。
着心地の決め手は、ポニーハイドとシープスキンの使い分け
同ブランドのライダースジャケットを手にすれば、「革ジャンって肩が凝りそう」といった印象がある人ほど、印象は覆るだろう。
「フェノム・シングルバイカージャケット」の黒革部分はポニーハイド、白革部分はシープスキンと、いずれも希少な素材が使い分けられている。そのため、重厚な印象のライダースジャケットながら、軽量なのも特徴だ。
それもそのはず、メイン素材に使われているポニーハイドは、牛革などから比べても圧倒的に軽量であり、しかもやわらかくて手触りもよく、摩擦に強く、通気性がよいのが特徴だ。
また、肩周りにしなやかでやわらかなシープスキンのキルティングパッドを配することで、着心地のよさがグレードアップしている。
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