CULTURE | 2021/01/07

2021年コロナ禍が深刻化しても、まだまだ芸能人の独立は続く理由【連載】テレビの窓から(3)

昨年12月28日、オリエンタルラジオの中田敦彦と藤森慎吾が吉本興業の退社と独立を発表し、いまだにその関連ニュースが報じら...

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大手事務所の重鎮がそろって高齢化

再び話を大手芸能事務所に戻すと、組織やビジネスモデルとしての過渡期が訪れていることは紛れもない事実だ。

「テレビを主戦場にした営業戦略(ネット戦略の遅れ)」「先行投資した分を取り戻すために独立を阻む」「個人より事務所の意向を優先して仕事を選ぶ」「契約書などを交わさないあいまいな雇用関係」など、時代に合わせたアップデートが今すぐにでも必要なことは多い。

また、昨年12月27日の『ワイドナショー』(フジテレビ系)で松本人志が「一時の芸能界をずっとけん引してきた大手のすごい芸能事務所のお偉いさん方がなかなか高齢化してきていて、『この何年間でだいぶ変わるやろな』とは思うね、日本の芸能界は」と話したことも見逃せない。

一昨年7月にジャニーズ事務所・創業者のジャニー喜多川氏が亡くなったほか、大手事務所の重鎮たちがそろって高齢になり、威光が通じにくくなったことも、昨年の独立ラッシュに影響を及ぼしているようなのだ。ただこれは「世代交代に失敗した」というより、「時代が変わり、今までのやり方が通用しなくなった」と言ったほうがいいだろう。何より当の芸能人たちが、雇用主優位の関係性を維持していた芸能界のパワーバランスが崩れたことを感じているはずだ。

最後に、芸能人の独立を後押しすることとして、もう1つ挙げておきたいのは、ファンを中心にした人々のフォロー。SNSの発達によって、「もし芸能事務所が理不尽なことをしたら自分たちが叩いて芸能人を守ろう」という動きが生まれている。特に大手芸能事務所に対する反発は大きいものになりやすく、彼らも人気商売であるだけに、慎重な対応を求められていると聞いた。

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