Photo By Shutterstock
阿曽山大噴火
芸人/裁判ウォッチャー
月曜日から金曜日の9時~5時で、裁判所に定期券で通う、裁判傍聴のプロ。裁判ウォッチャーとして、テレビ、ラジオのレギュラーや、雑誌、ウェブサイトでの連載を持つ。パチスロもすでにプロの域に達している。また、ファッションにも独自のポリシーを持ち、“男のスカート”にこだわっている。
池袋の人気のない路上で強制わいせつ
今年最後の傍聴記です。3月には傍聴席が2席空け、10月から1席空けという感染症対策が実施された年でもありました。早く空席なしの法廷に戻りますように。
さて、本題です。
罪名 強制わいせつ
Q被告人 無職の男性(26)
起訴されたのは今年8月15日午前1時37分、東京・池袋路上でQ被告人が被害女性(30)の顔を両手でつかんでキスをして、右手で被害女性の右胸をわしづかみにしたという内容。検察官の冒頭陳述によると、Q被告人は高校を卒業後に飲食店で働いたり、俳優の仕事をしていたそうです。Q被告人の名前を検索してみると、映画やドラマにいろいろと出演してたっぽい。あんまり詳しくないんだけど、知らず知らずのうちにQ被告人の活躍を目にしていたようです。
そして、犯行当日。Q被告人は、ドンキホーテの前で酔ってふらついている女性を発見。すぐにタクシーを停め、被害女性を押し込んで、池袋西口に移動したらしい。2人で降車し、人気のない路地に入ったところで、Q被告人がマスクを下ろし、被害女性のマスクも下ろして、キスをしたという。さらに、肩に手を回し、服の上から被害女性の胸を揉んだところで、「この人、知らない人です!連れ去られてます!」と通行人に助けを求めたので、逃走。しかし、タクシー内の映像や防犯カメラが証拠となり、逮捕されたというのが事件の流れになります。何も知らない人が2人を見たら、カップルだと思うでしょうね。「この人、知らない人です」も冗談でふざけあってるのかと勘違いする人もいたかもしれないし。大胆過ぎて怖い事件。
取り調べに対し、Q被告人は「介抱するために被害女性に近付いた。介抱してあげたんだから、キスや胸をもんでもいいだろうと思った」と犯行当時の認識について供述しているそうです。
次ページ:コロナで失った俳優業。ユニットも終了へ