文:岩見旦
Amazonで、ユーザーは商品に対する評価を「星1つ」から「星5つ」でランク付けし、コメントを添えて投稿することが出来る。商品選びの参考になる、ユーザーにとって頼りになる機能だ。
しかしその一方、この機能を逆手に取り、自社商品に対し身内やアルバイトに高評価をつけさせる悪質な業者がいることもまた事実。Amazon側も対策を取っているが、まだまだ多くの不正レビューが残っており、個人が一つ一つ判断するのは至難の業だ。
ところが、そんなAmazonの不正レビューをワンクリックで見抜くサービスが公開されたと話題を集めている。
AmazonのURLをコピペしてクリックするだけ
そのサービスとは「サクラチェッカー」。使い方は簡単。検索欄にAmazonの商品のURLをコピペし、「Go」をクリックするだけだ。すると、「レビュー分布」「レビュー日付」「ショップレビュー」など6つの項目から、不正レビューの存在率を総合的に分析する。
星4.8つの評価がついているあるACアダプタは、「ショップ情報・地域」「レビュー分布」「レビュー日付」で異常を検知し、「サクラ存在率は80%」で、実際の評価は星2.7つという判断が下された。この商品のレビューを確認したところ、30件中28件が今年5月7日に「星5つ」の投稿が行われていた。
不正レビューを繰り返す非公開グループに潜入
この「サクラチェッカー」を制作したのは、東証一部の上場IT企業でエンジニアをしているというユウさん。ネットショッピングを好んで利用しているものの、最近レビューに騙されることが多くなったため、このサービスを思いついたとのこと。
ユウさんはシステム開発をするにあたり、Amazonの不正レビュー投稿を募集する非公開のグループに潜入。不正レビューの標的や傾向を徹底調査した。ある非公開グループは約1万8000人も参加しており、商品や報酬と引き換えに、レビューを投稿しているという。
「サクラチェッカー」は現在、Amazonのみに対応しているが、今後は楽天市場やYahooショッピングに対応する予定だ。
類似サービスの横断的利用がおすすめ
Amazonの不正レビューを見抜くサービスは、「サクラレビュー」以外にも存在しており、詳細な分析結果を表示する米国の「ReviewMeta」や、Androidアプリの「レビュー探偵」などがある。「ReviewMeta」で、上記のACアダプタをチェックしたみたところ83%のレビューが不自然と判断したものの、評価は星4.8つと変化はなかった。
あくまでこれらの分析結果は予想であり、確実なものではない。高額な商品をAmazonで購入する際は、これらのサービスを横断的に利用するのがいいかもしれない。