LIFE STYLE | 2020/05/21

前を向いて「元の生活やビジネス」には戻さない。Withコロナのヨーロッパで今話されていること【連載】オランダ発スロージャーナリズム(24)

アートセンターに併設されているレストラン「メディアマティック」では、個室ダイニングとでもいうべき、これまでの「効率性」を...

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国ではなく自治体がリーダーシップを発揮する世界

このコロナ禍を通して、残念ながら「今の世界には完全にリーダーが不在だ」ということが明らかになりました。米国は、すでに以前からの「アメリカ・ファースト」や、自国優先の保護貿易を推し進め、また今回のパンデミックの最中には、WHOヘの資金拠出を停止しています。

一方、中国がその座を狙っているようにも見えますが、ヨーロッパ各国に届いた支援物資(マスクや人工呼吸器)は、かなりの高確率で不具合がみつかり、実質使い物にならず、返送するための代金を誰が持つのか?といったことで混乱が起こったりしています。つまり、現状のところ、米国に変わるリーダーは現れていないように思えます。

グローバルではリーダー不在の国家間の混沌としたやりとりがなされていますが、C40の例のように世界の大都市が主導して、コロナ後のグランドビジョンをつくっているところに、今までと違う特徴があるように思います。そういえば、残念ながらこの提言には参加していませんが、日本でも今回は自治体の首長のリーダーシップが目立っていますね。

グランドビジョンの欠如と、硬直したシステム、そして当事者たちの圧倒的な能力不足。この3つが重なって、今回は世界に稀に見る迷走っぷりで、国が有効な対策をまったく立てることができなかった日本。

ポストコロナにおいては、こうした社会システム、そのものも変革していかなくてはならないかもしれません。

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