流産、暴力、降格……、身に降り掛かった災難
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そして、被告人質問です。まずは弁護人から。
弁護人「なぜ、こんなことしたんですか?」
K被告人「勤務してから2度の流産がありました。しかも、相手の男性から暴力があって精神的に参ってしまっている時に、仕事では降格というのが重なって」
弁護人「2回とも同じ男性ですか?」
K被告人「いや、別です」
弁護人「今、その男性とは?」
K被告人「それっきり会ってないです」
プライベートでかなり落ち込んでいたそうです。
弁護人「仕事量はどんなものでしたか?」
K被告人「ベンチャーなので覚悟してましたけど、やってもやっても終わらない感じで」
弁護人「辛くなってた?」
K被告人「私以外は派遣さんで休めないなという責任もあって……」
仕事の方でもストレスを抱えていたそうです。
で、疑問なのが横領とどうつながりがあるのかと。その点についての質問です。
弁護人「それでなぜ、横領なんですか?」
K被告人「私には長く付き合っていた男性がいまして、家賃や旅行も援助してくれて。それで金銭感覚が狂ってしまって」
弁護人「それはさっきの男性とは別の人?」
K被告人「はい。それまで知らなかった世界を知ってしまって」
弁護人「それがなんで横領になるんですか?」
K被告人「自暴自棄で判断力がおかしくなってたと思います。何とかして心の隙間を埋めようと」
以前の彼氏との贅沢な暮らしが忘れられず、会社の金を横領して豪遊して、ストレスを解消しようという思考に至ったようです。こういう話を聞くと、高級ホテルを知らない質素な人生も悪くないなぁと誇らしく思えてきたりしますね。
弁護人「1400万円弁済してますけど、民事裁判で確定した支払いが残ってますね?」
被告人「はい。毎月10万円です」
弁護人「長期間だけど、返せます?」
K被告人「返していきたいと思います」
と、他にも請求されててすべて支払うと約束です。