EVENT | 2020/05/14

緊急事態宣言下のGWはやっぱり全国的に「外出自粛」していた。国際航業がフリーWi-Fiの利用データを分析し公開

「東京駅における活動人口の推移(昼間人口 8:00~17:59)」より。画面上のマップで駅名が示された丸ボタンをクリック...

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「東京駅における活動人口の推移(昼間人口 8:00~17:59)」より。画面上のマップで駅名が示された丸ボタンをクリックすると、新宿駅、渋谷駅、秋葉原駅など計11駅の情報が確認できる

文:神保勇揮

フリーWi-Fiの利用ログを基に人々の活動を分析

国際航業の公開データが閲覧できる「Tableau Public」内のアカウントページ

国際航業株式会社は、スマホアプリの利用者から許諾を得て収集した全国のフリーWi-Fiの利用ログを基に独自開発した、人々の活動を表す「Wi-Fi人口統計データ」を4月から継続的に発表している。

フリーWi-Fiを使った調査は、「実際にその施設でフリーWi-Fi に接続した人の情報」を基に分析するため、GPSデータを使った調査に比べて地下街や高層ビル内などの屋内の位置情報もより正確に捉えることができるとし、一連の調査では全国主要駅から半径1kmにおけるフリーWi-Fiの利用状況を分析することで、繁華街やオフィス街における人々の活動の変化を日次でグラフにして表している。

これらのデータは、データをビジュアル化し外部に共有できるサービス「Tableau Public」にて公開しており、一部箇所では表示データの取捨選択も可能となっている。

同社がデータを公開しているのは、下記の4分野・計6つ。

■各都道府県の流入人口(Wi-Fi人口統計より推計)
■【全国各地】Wi-Fi人口統計を用いた活動人口の推移(昼間人口)
■【全国各地】Wi-Fi人口統計を用いた活動人口の推移(夜間人口)
■【東京都】Wi-Fi人口統計を用いた活動人口の推移(昼間人口)
■【東京都】Wi-Fi人口統計を用いた活動人口の推移(夜間人口)
■福岡県福岡市への流入人口(Wi-Fi人口統計より推計)

なお、「各都道府県の流入人口」は月に1回、「Wi-Fi人口統計を用いた活動人口の推移」(全国・東京都)はそれぞれ週に1回のデータ更新を予定しているという。

全国各地のゴールデンウィーク中の活動人口の推移データを見ると、東京駅(5月題1週が前年比で-82.83%)や大阪駅(同-85.15%)といった都心部は言うに及ばず、大宮駅(同-79.79%)、京都河原町駅(同-79.26%)、天神駅(同-80.22%)などでも同様の傾向を示すことがわかる。

また「各都道府県の流入人口」を見ても、「他県ナンバー狩り」が発生したことで県知事の記者会見が行われた徳島県でも、4月全体のデータではあるが県外からの流入者は前年比で-63.9%と大幅に減っており、他県のデータ(おおむね60%台)と比べても遜色ない数字だ。

「各都道府県の流入人口(Wi-Fi人口統計より推計)」より、徳島県への人の流入データ

ちなみに「特に通勤で多く使われる主要駅付近に人がいないだけだろう」という指摘をする人もいるかもしれないが、KDDIからの提供データ(auスマホユーザーの位置情報を分析)を基にした内閣官房HP「人流の減少率」ページ内の項目「全国主要観光地における人の流れの推移」や、ウェザーニュース(天気予報アプリ利用者の移動動向を分析)の記事「外出自粛のGW 5月6日の移動量は緊急事態宣言後で最少」などを通じて全国的に同様の傾向を示していることがわかるため、興味のある人はこちらもチェックするといいだろう。

国際航業では、これらのデータの更新終了時期は定めていないものの、当面の間、更新を続けていくとしている。さらに今後、新コンテンツとして「ビジネスパーソンのテレワーク率」「業界別、地域別の店舗来店状況のデータ(緊急事態宣言が緩和または終了した際、人は再び戻るのかどうか)」なども公開する可能性があるとし、検討やデータ分析を進めているという。