文:神保勇揮
働き方改革は「恩恵」より「影響」を受けている
近年、「サウナー(サウナ愛好家)」や「ととのう」といったワードがSNSを飛び交い、サウナ好きを公言する著名人やビジネスパーソンが増えてきた。少なからず「サウナブーム」とも言えそうな状況が訪れているが、人々は何を求めてサウナに通っているのだろうか?
「サウナで日本のビジネスシーンの活性化に貢献する」を理念に、コクヨや日本航空ら有志企業11社の社員が設立した「JAPAN SAUNA-BU ALLIANCE [企業サウナ部アライアンス](以下、JSA)」は、20~50代のビジネスパーソンに対し、日常生活とサウナに関するインターネット調査を実施、3月7日の「サウナの日」に合わせて結果を公開した。
調査は2020年2月22日~24日にかけて、20歳~59歳の首都圏(一都三県)、関西圏(二府一県)、愛知在住者を対象に行われ、824(性別年代で均等割付)の回答を得た。
調査は
① 現代ビジネスパーソンが抱えていること
② ビジネスパーソンのストレス解消ニーズと、方法や手段を含む解消充足度
③ サウナの効用
の3テーマについて実施。
まず「①現代ビジネスパーソンが抱えていること」については、図表1を見ると約7割のビジネスパーソンが普段の生活の中でストレス・精神的な疲れを感じており、その背景・要因として、多くの人が「時間が足りない」と感じているという。働き方改革に対しては、「恩恵」を受けたと思っている人より、「影響」を受けたと思っている人の数が約2倍に上った。
図表1
ストレスについては世代別に見ると(図表2を参照)、全世代の過半数がストレスを感じており、特に30~40代が顕著だった。回答の傾向としては、周りの人に優しくなれない30代、心に余裕がない40代、心が散らかっている20代という要素が浮かび上がっている。
図表2
30代~40代はストレスを感じているのにほぼ解消できていない
次の「②ビジネスパーソンのストレス解消ニーズと、方法や手段を含む解消充足度」については、「心を無にする」「元気や活力」「緊張をほぐす」といった全15個の価値因子に対し、「今のあなたの生活に“求めていること/必要としていること”」というニーズと、「今の生活の中で“満たされていること/満たす手段を持っていること”」という充足度を、0点(全く求めていない/満たされていない)から10点(とても求めている/満たされている)で得点化し、マッピングした(図表3~4を参照)。
図表3
図表4
図表5
図表5を見ると、全体的に「リセット」価値(項目分けは図表3を参照)が未充足となっており、特に「心と体のバランスを整える」ことは求めているが、満たされていない思いが強いとしている。
また世代別に見ると(図表6~9を参照)、現状でも充足している因子が多い20代・50代と比べて、30代・40代は大半の因子において充足していない。つまりストレスを感じており解消したいと思っているのに、解消できていないことがわかるとしている。
図表6
図表7
図表8
図表9
サウナは「癒やし」であり「救い」
最後に「③サウナの効用」について図表10を見ると、全体に比べ、週1以上利用者≒サウナを日常的に利用している人は、サウナの効用として“リセット”価値を実感し、ストレス解消に役立てていることがわかるとする。
図表10
また、サウナの利用頻度別にサウナをどのような存在として捉えているかという質問の回答(図表11・12)では、サウナを日常的に利用している人ほど、サウナは“癒し”であると感じており、旧来的イメージの“我慢”のサウナではなくなっているとする。
サウナを週1回以上利用している人の85%はサウナに“救われている”と感じており、サウナの利用頻度が高い人ほど、サウナに“救い”を感じる傾向にあるという。
図表11
図表12
JSAは今回の調査を受け「ビジネスパーソンの7割がストレス・精神的な疲れを感じており、ストレス解消において「リセット」価値を求めていることが分かりました。今サウナが見直されブームになっている背景は、このストレスに対するリセットニーズの高まりと、サウナで得られる効用・実感が合致しているからと考えられます。まだサウナを利用していないビジネスパーソンの方も、3月7日「サウナの日」を機会に、サウナで日々のストレスをリセットすることをおすすめします」とコメント。
また、俳優としても活躍する北村匠海がギター&ヴォーカルを務める4人組ダンスロックバンド「DISH//」の最新ミニアルバム『CIRCLE』収録曲で本日MVも公開された「SAUNA SONG」が、サウナで“リセット”することについて歌われおり、同曲を「ビジネスパーソン応援サウナソング」として推奨するとしている。