文:高岡謙太郎
ニューヨークで生まれたヒップホップはインターネットの普及に伴い、世界全土に飛び火している。日本では勃興時から輸入されてローカライズされてきたが、ここ3~4年はアジア全域で盛り上がっていることを耳の早い音楽リスナーはご存知のはず。
アジア系ラッパーのシーンを牽引してきたのは、YouTube時代のレーベル/メディアの88rising。動画でいち早く新人や新曲を紹介し、今までにない再生数を叩き出している。アジア系アーティストとして初のBillboard R&B and Hip-Hop部門1位を獲得したアーティストを排出するなど、音楽シーン全体に影響を及ぼすまでになっている
そういったアジアのヒップホップ・シーンをまとめた、長編ドキュメンタリー映像『Asia Rising: The Next Generation of Hip Hop』が、レッドブルと88risingの共同製作によって、3月29日(金)に世界同時公開(視聴無料)された。まずは下記の約52分間の大作を再生してもらいたい。
むき出しになったアイデンティティ
本編では、日本だけでなく、インドネシア、ベトナム、中国、韓国のラッパーたちが登場。欧米中心だったヒップホップ・シーンと違って、それぞれの国ならではの個性が活動ににじみ出ているのがわかるはず。特に沖縄出身の日本人ラッパーAwichが、日本人とアメリカ人のミックスの愛娘とラップする姿は、日本がグローバルな社会の潮流に巻き込まれていることをステージングから感じ取ることが出来るはず。
ヒップホップがポップミュージックとして世界各地に浸透したことを通じて、現代の社会状況を読み取ることも出来る動画作品ともなっている。まずは視聴してもらいたい。
動画の熱量をオフラインでも体感
ドキュメンタリー作品の公開に伴い、レッドブルの都市型音楽フェス「Red Bull Music Festival Tokyo 2019」の一環として、4月10日(水)渋谷の「WWW X」にてレッドブルと88risingのコラボイベントが開催決定。ラッパーたちの熱気あふれるパフォーマンスを生で体験したい方は足を運ぶべきだろう。
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「Red Bull Music Festival Tokyo and 88rising present: Japan Rising」