LIFE STYLE | 2018/06/07

オーストリア第2の都市グラーツ【連載】世界の都市をパチリ (9)


宮崎大輔
1988年長野県生まれ。信州大学大学院農学研究科で修士号を取得後、2013年からJICAの青年海外協力隊...

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宮崎大輔

1988年長野県生まれ。信州大学大学院農学研究科で修士号を取得後、2013年からJICAの青年海外協力隊に参加。中米パナマ共和国で農業指導を2年間行う。2015年からフリーランスになり日本、東南アジア、南米、アフリカの案件に農業コンサルタントとして従事。またノマド生活をしながら、世界中でスナップ写真やポートレート写真を撮影中。ブログ http://jiburi.com/ 

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グラーツの駅で感じた直観

オーストリアといえば首都のウィーンが人気ですが、私が気に入ったのは第2の都市グラーツでした。グラーツで最初に到着したのは、グラーツ駅。駅はキレイな建物でモダンな雰囲気です。

真っ先に向かったのはスーパーマーケットです。私は街に到着したらまずはスーパーマーケットで買い物をすることにしています。なぜかというと、スーパーマーケットは地元住民が利用するお店なので、そこで売っているものや利用している人を見れば、その土地のことを知ることができるからです。グラーツでもお店の品揃えやレジ係の接客を見て、この街とは相性が良さそうな気がしました。

早朝の街を散策

駅前のホテルに泊まり、翌朝街を散策してみることにしました。まずは駅へ向かってみます。すると、カラフルなベランダを持つアパートメントがあり、朝日を受けてキレイに輝いています。向かいの建物にはアパレルのお店が入っていて、ショーウィンドウのガラスに向かいのアパートメントが反射していて、印象派の絵画のような美しさです。そして、その前を地元住民が徒歩やあるいは自転車にまたがって通り過ぎていきます。おそらく毎日この光景を眺めていたら何も感じなくなってしまうと思いますが、旅人として初めてこの地を訪れた私にとっては印象深い光景でした。

朝から気分が良くなった私は、そのまま旧市街まで歩いてみることにしました。旧市街に向かう途中にびっくりしたことがあります。それは消防署の入り口にド派手な絵が描かれていたことです。その絵は消防車の車庫に書かれていて、消防士が火事から人を救っているストーリーを表現していました。その絵のタッチはよくある落書きのようなスタイルだったので、最初はイタズラなのかと思いました。さすがにイタズラではないと思いますが、ド派手な絵だったので日本では絶対にありえない光景だと感じました。

シュロスベルクの丘へ登る

旧市街へ行く前に、丘の上まで登ってみました。この丘はシュロスベルクと呼ばれていて、その昔は城塞だったそうです。実はこの城塞はあのナポレオンでさえ攻略できなかったといわれています。そして、実際にこの丘を登ってみて、その理由がわかりました。なぜかというと、丘を登るために階段を利用したのですが、260段もありとても大変だったからです。このようにこの丘は急な斜面に四方を囲まれていているので、自然の要塞になっています。

ただし、そのおかげで丘の頂上からの眺めは格別でした。私が頂上に着いたときはちょうど早朝の霧が晴れてくる時間帯だったので、幻想的な風景を見ることができました。丘の上からはグラーツの街並みを見渡せるので、ぜひ登ってみてくださいね。私は階段を使って登りましたが、ケーブルカーやエレベーターでも登ることができます。

愛の南京錠

南京錠

丘から下りて旧市街を散策することにしました。旧市街には橋がかかっていて、そこには名前が刻まれた南京錠がたくさん付けられています。このように恋人同士が名前を刻んだ南京錠は「愛の南京錠」と呼ばれ、世界中で流行っていますよね。ちなみに愛の南京錠は発祥の地がどこなのか、はっきりした情報がないそうです。初めて南京錠を付けたのはどんなカップルだったのでしょうか......。

この橋に付けられた南京錠は数がとても多かったので、朝日を浴びて不思議な影を作っていました。写真を撮るときには光に注目することもありますが、この写真のように影に注目することもあります。

遊園地と広場

川の近くには小さな遊園地がありました。風船やポップコーンを売る人がいたり、観覧車や小さな乗り物が並んでいました。もちろん、小さな子どもは大喜びで遊んでいます。

そして、遊園地の先には広場があります。私が訪れたのはクリスマスシーズンだったので、クリスマスマーケットで賑わっていました。こちらではホットワインを売るお店が多く、大人たちが家族や友人とワインを楽しんでいました。この広場を中心として旧市街が広がっていて、昔ながらの雰囲気を残しています。


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