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EVENT | 2023/03/23

先端ICTシーズで地域振興と復興創生を推進!会津大学 産学イノベーションセンター・復興支援センター

会津大学先端ICTラボの外観
文:児島宏明
産学連携と復興創生支援の融合拠点
会津大学 産学イノベーションセンター...

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会津大学先端ICTラボの外観

文:児島宏明

産学連携と復興創生支援の融合拠点

会津大学 産学イノベーションセンター・復興支援センターは、大学の産学連携・社会貢献の窓口として2つのセンターが融合した研究拠点で、計6名の専任教員がコーディネイト活動を行う。

産学イノベーションセンターは産学連携・大学知財活用の拠点として1995年に設立、研究開発室やブース型オフィスを備える。また復興支援センターは東日本大震災等からの復興・創生をICTの面から支える拠点として2013年に設立。オープンイノベーションスペース、人材育成・プロジェクト機能、産学連携のための専用データセンターなどを有している。今回は産学イノベーションセンター長・兼復興支援センター長の石橋史朗教授に話をうかがった。

石橋史朗氏

「AOI会議」による地域課題の抽出と解決

同拠点が特に力を入れているのが「AOI (Aizu Open Innovation)会議」。地域社会や企業が抱える曖昧なニーズを明確化し具体的な取り組みにつなげることを目的にしており、同拠点のプロジェクトのほとんどはこの会議を起点としている。会議の形式は、「タイプⅠ(勉強型)、タイプⅡ(プッシュ型)、タイプⅢ(シーズ模索型)、タイプⅣ(事業化型)」の4つ。ニーズの粒度やプロジェクトの進捗状況ごとに年間300回以上実施しており、オープンイノベーションのスタイルで産学の効果的な連携を図っている。

「大学が保有するシーズを社会課題に活かすには、まずは地域社会や企業の方々のニーズを明確にすることが大切です。産学連携で効果的な研究開発を進めるためにも、より多くの社会課題を抽出ためするためにも、AOI会議は重要な役割を果たしています」(石橋氏)

同拠点では、AOI会議を起点に多数のプロジェクトに取り組んでいる。その中でも代表的な取り組みとして、先端技術を活用した大規模開発事業と地域の人材育成事業について紹介する。

産学連携ロボット研究開発支援事業

震災復興・創生を目的に、福島県から受託されている支援事業のひとつ。ロボット開発に必要な100以上のソフトウェア部品・ネットワーク環境を学内で開発し、地域のものづくり企業に無償提供している。会津地方と浜通り地区の産業振興を目指す「福島イノベーション・コースト構想」の一環でもある。

またより良い開発環境の提供を目的に、国と県が南相馬市に「福島ロボットテストフィールド」を設立。会津大学は保有する設備・機器を揃えて入居し、教員や事務員も常駐。地域企業と共同で、災害時に活躍するロボットの研究開発を行う。また、地元高校生などを対象にロボットのソフトウェア開発講習会を行うなど、次世代人材の教育も推進している。

女性IT人材育成・就業応援事業

「このほかにもICTの技術力を活かした地域人材の育成にも力を入れています。子育て中や未就労の女性の方を対象としたITキャリアアップ塾、会津大学の得意分野であるサイバーセキュリティの実践的な講習会などがあり、さまざまな切り口から地域産業の振興をサポートしています。特に女性のためのITキャリアアップ塾では県内IT企業とのジョブマッチングも行っており、2020年には日本工学教育協会から工学教育賞を受賞しています」(石橋氏)

先端ICTシーズによる地域と世界を繋ぐ拠点

会津大学では先端ICT分野のシーズを数多く保有している。先述のロボット情報工学のほか、情報セキュリティ、生体医用情報工学、自動AIシステムデザインなど、合計14分野の応用研究が研究クラスタの枠組みの中で実施されている。これらのシーズを地域活性化や震災復興・創生に活かすのも拠点の大きな目標であり、企業に対して組織対組織の産学連携を推進していく際の重要な基盤となっている。

また、会津若松市は政府のデジタル田園都市国家構想に採択され、同拠点を含めた市全体でICTを取り入れたスマートシティ化を進めている。その象徴となるのが、2019年に設立された「スマートシティAiCT(AIZU ICT)」という施設。首都圏も含めた各地の多様な業種の企業が機能移転できる企業集積地で、会津大学のシーズとのマッチングが積極的に行われている。ここでもAOI会議によるオープンイノベーションに基づく課題解決手法が活用されている。

「ICTシーズを活用した地域社会への貢献と震災からの復興・創生は、今後も私たちの主要なミッションです。そして、そこで培ったノウハウを福島の知としてパッケージし、将来的にはグローバルに展開することも考えています。ローカルな活動に力を入れてノウハウを確立しながら、会津大学やこの地域の先進性・技術力をグローバルに発信していきたいですね」(石橋氏)


会津大学 産学イノベーションセンター・復興支援センター

産学イノベーションセンター:https://www.u-aizu.ac.jp/intro/faculty/ubic/
復興支援センター:https://www.u-aizu.ac.jp/research/uarc/

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