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EVENT | 2022/10/04

「サッカー」と「テクノロジー」、「リーダーシップ」の接点は?元サッカー日本代表 鈴木啓太氏と語る最新テクノロジーが支えるより良い未来

文:神保勇揮(FINDERS編集部)
レノボは「次世代の企業経営者に贈る特別対談企画」として定期開催しているオンライン...

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文:神保勇揮(FINDERS編集部)

レノボは「次世代の企業経営者に贈る特別対談企画」として定期開催しているオンラインイベント「Lenovo C-Suite Chat Show」の最新回を9月28日(水)に配信した。

今回は「Smarter Changes The Game」と題し、「サッカー」「テクノロジー」「リーダーシップ」というキーワードのもと、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ合同会社 代表取締役のジョン・ロボトム氏が、元サッカー日本代表の鈴木啓太氏、慶應義塾大学大学院 教授の神武直彦氏を招き、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)や人工知能(AI)をはじめとしたテクノロジーが、サッカーや企業のあり方をどう変えていくのか?について、今年11月に開催されるFIFAワールドカップカタール2022の話題にも触れつつ、最新動向や今後の可能性について議論が交わされた。

Lenovo C-Suite Chat Show  - Smarter Changes The Game -
https://f2ff.jp/csuite-chat-show/22/sep
※10月28日(金)17:00までアーカイブ配信予定(視聴無料・要登録)

写真右から、元サッカー日本代表 鈴木啓太氏(AuB株式会社 代表取締役)、ジョン・ロボトム氏(レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ合同会社 代表取締役社長)、神武直彦氏(慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 教授)

「ビジネスマンとしてサッカー界に戻りたい」

セッションの冒頭、これまでどのようなサッカー人生を送ってきたか?という質問に鈴木氏は、サッカー選手としての喜びをファン・サポーターと分かち合えた素晴らしさを語りつつ、自らAuB株式会社の事業を立ち上げた理由について、「サッカーだけやっていればよい、ということではないと思う」と切り出した。鈴木氏によると、今やサッカーにとってテクノロジーやヘルスケアいったデータ活用の重要性は高く、サッカーを取り巻く地域・街・コミュニティにとってもデータは非常に重要であるという。そこでサッカーというフィールドから一度離れてビジネス・ヘルスケアを学び、「ビジネスマンとしてサッカー界に戻りたい」という思いを語った。

元サッカー日本代表 鈴木啓太氏(AuB株式会社 代表取締役)

世界をリードするレノボのHPCソリューション

次に、自身の仕事とレノボの事業について問われたジョン社長は、「鈴木さんの後に話すのは面白くなくなっちゃう(笑)」としながらも、レノボといえばPCと思うかも知れないが、実はPC以外にも、例えばデーターセンターやサーバー、ストレージなど、さまざまなサービスを提供しているという。さらにレノボのチャレンジとしては、今までのテクノロジーから、新しいテクノロジーへどう移行するか?という点を挙げた。今までの投資を活かしながら新しい分野でどうビジネスを伸ばしていくか、それぞれのお客様や業界の中で事業をどのようにDXを進めていくかが課題だという。

ジョン・ロボトム氏(レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ合同会社 代表取締役社長)

スポーツ界にもどんどん広がる最新テクノロジー

続いての話題は、“スポーツ界におけるIT活用の現在”。すでにさまざまなスポーツでITを活用したトレーニングの効率化や試合観戦の魅力アップの取り組みが進みつつあり、サッカーの試合でも、ボールの支配率や選手の活動エリアを可視化するヒートマップが表示されることなどは珍しくなくなってきている。今年11月に開催されるFIFAワールドカップカタール2022においても、スタジアムに設置されたカメラやボール内センサーで選手たちの動きを把握し、オフサイドの発生をキャッチしてピッチ上の審判員に通知する「半自動オフサイドテクノロジー」の導入も発表されている。

神武直彦氏(慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 教授)

また神武氏は、データを用いたコーチングやリーダーシップの発揮など、データを活用し振る舞いを変えさせることができるコーチやアナリストの育成を行なっているが、日本においてうまくいっているのはまだまだ属人的なものに限られてしまうという。その一方、小学校や中学校でのコーチングは、対象となる生徒たちがデジタルネイティブであり、それが当たり前という環境であるため、10~20年後が楽しみだという。

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また、鈴木氏からも自ら立ち上げたAuB株式会社の事業内容が紹介された。AuBは、アスリートの腸内細菌を研究し、その成果をもとにサプリメントなどの商品やサービスを開発、提供しているスタートアップだ。これまでに入手したアスリートの腸内細菌データは500名1,000検体を超え、鈴木氏によると「ラグビー選手、サッカー選手、長距離走選手の腸内細菌等のデータを収集・分析を行うと、そのデータだけでどの競技をやっているかを80%の確率で当てられるようになりました」という。

ただし、現在はアスリートに限定しているので、予め属性が分かったデータ収集のため分析もしやすい。鈴木氏は、「今後は研究対象をバックグラウンドが十人十色の一般層まで広げ、腸内細菌の状態からその方に合った競技をオススメする」といった可能性について語り、「レノボさんと研究・ビジネスの両方でコラボレーションしてみたいです!」とラブコールを送った。

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元サッカー日本代表が導く“腸内環境×テック”の最前線 鈴木啓太(AuB株式会社)
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テクノロジーは人間の生活をより便利に、楽しくする存在であるべきだ

続いてジョン社長は、ビジネスで当たり前にITが活用されるようになったように、「今後AIやHPCの活用はさらに進んでいく」と語り、最近では「エッジコンピューティング」が広まりつつあるという。これは従来の端末からのデータを全てクラウド上のサーバーに送信しAIに学習させる技術とは異なり、端末もしくは近くにあるエッジサーバーにAIを搭載し、必要な情報だけをクラウド上のサーバーに送信し通信コスト削減やパフォーマンス向上などを図る技術。さらに今後は5Gの普及でビッグデータ収集や分析がより安価に、より高速にできるようになると期待されている。

さらに、「ビジネス分野では、商品販売システムや購買データ分析の進化だけでなく、各社員の属性やスキルをベースに、必要な能力や多様性を確保したチームをマッチングするといった組織運営にも大きな変化をもたらすかもしれません」と語る。

セッション終盤での議論は、ジョン社長が」警鐘を鳴らしていた、「何のために技術革新を進めるのか」についての話題へと移った。

その中で神武氏は、スポーツにおけるテクノロジーの進化について、「機械による正確な判断も大切だが、ときには人間くさい判断もスポーツの楽しさでもあるので、人間がテクノロジーに完全支配された感覚にならない知恵は必要だと思います」と指摘し、鈴木氏も「2010年W杯のドイツ対イングランドの試合で、完全にイングランドのゴールが入っていたのに認められなかった“伝説の誤審”が喧々諤々の議論になったというのはある意味盛り上がったとも言えますし、マラドーナが手を使ってゴールを決めた“神の手”なども有名ですよね」と同意した。

もちろん両氏ともにVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)をはじめとしたスポーツ界へのテクノロジー導入を強力に推進する立場ではあるが、ジョン社長も含め、すべてがテクノロジーの力で解決できるわけではないという思いは共通であるように思える。

また、AIやHPCがこれからの社会に与えるインパクトについて問われたジョン社長も、「テクノロジーは人間のために使われなければならない。生活や人生がもっと良く、楽しくなることを目指すべきだと思う」とまとめ、「テクノロジーが楽しさ、嬉しさを支える未来は明るい」と語った。

今回、「サッカー」「テクノロジー」「リーダーシップ」をテーマに議論を交わした三人。対談の中で紹介されたように、まもなく開催されるFIFAワールドカップ カタール 2022では数多くの新しいテクノロジーを見ることができるはずだ。そしてこうした進化は、今後もHPC、AIを始めとするテクノロジーが中心となって支えていくことは言うまでもない。

一方、「こうしたテクノロジーを知ってもらい、使いこなせる人材を育てていきたい」と最後に神武氏が語ったように、HPCやAIなどに関わる人材の育成は急務であると言える。今後レノボが、こうした次世代の人材育成に関わるだけでなく、鈴木氏のようなスタートアップ企業をサポートし、我々の未来をよりよい方向へと導いていくことに期待したい。

本イベント(Lenovo C-Suite Chat Show)は全3部構成で実施されたもので、本稿では「第1部:Smarter Changes The Game」の内容をご紹介しました。

Lenovo C-Suite Chat Show 
視聴登録はこちら
https://f2ff.jp/csuite-chat-show/22/sep

第1部:Smarter Changes The Game
https://f2ff.jp/introduction/6736?event_id=csuite-chat-show-22-sep 

第2部:レノボとAMDが、AI/HPCで世界中の企業に新たなインテリジェンスとパフォーマンスのベンチマークを提案
https://f2ff.jp/introduction/6737?event_id=csuite-chat-show-22-sep

第3部:「クラウドファースト」の世界におけるハイブリッド&マルチクラウドの関連性の高まり
https://f2ff.jp/introduction/6738?event_id=csuite-chat-show-22-sep