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カンボジア孤児から高飛込アメリカ代表に。同性愛者の養父と二人三脚で東京五輪に出場へ
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  • 2021.07.29
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カンボジア孤児から高飛込アメリカ代表に。同性愛者の養父と二人三脚で東京五輪に出場へ

文:角谷剛

アメリカでは海外から養子を引き取って育てる人は多い。マドンナ、アンジェリーナ・ジョリー、メグ・ライアンなどが有名だ。親子で人種が異なることも、さほど珍しいことでもない。

東京五輪の男子10m高飛込にアメリカ代表として出場するジョーダン・ウィンドルとその父親ジェリー・ウィンドルさんもそうした例の1つである。しかし、それだけではない。

ずっと父になりたかった。独身の同性愛男性の願い

フロリダに暮らすジェリー・ウィンドルさんにとって、父親になることは長い間の夢だった。しかし1990年代、独身のしかも同性愛者であるジェリーさんには、それは不可能なことのように思えた。

ある日、ジェリーさんはある雑誌にカンボジアから養子を迎えた男性について書かれた記事を見つけた。そしてその記事は母親のことには触れていなかった。ジェリーさんはすぐに記載されていた国際養子縁組を仲介する組織に電話をかけ、数カ月後、カンボジアに渡った。

ジェリーさんは孤児院に赴くと、両親を失った1歳の男の子に目が止まり、フロリダに連れて帰ることにした。その男の子は栄養失調と感染症から生命さえも危ぶまれていたものの、父親の愛情に包まれてたくましく成長した。現在22歳になるその男の子の名前はジョーダン・ウィンドル。東京五輪で男子10m高飛込にアメリカ代表選手の1人として出場する。

ジョーダンが飛込競技を始めたのは7歳の時。そのわずか2年後には全米ジュニア大会で優勝するなど、非凡な才能を発揮した。2012年と2016年に連続して五輪出場を逃したものの、今年の6月に行われたアメリカ代表選抜予選で2位に入賞し、東京五輪への出場権を獲得した。

ジョーダンは2018年の父の日、Instagramに「お父さん、父の日おめでとう。あなたは本当に素晴らしい人です。僕があなたの人生に迎えてもらった日からずっと、あなたが成し遂げてきたことをとても誇りに思っています。あなたは僕に毎日努力することを教えてくれました。僕があなたからの愛とサポートにどれほど感謝しているかは言葉にすることもできません。愛しています」と投稿しており、絆の深さが伺える。

次ページ:アメリカとカンボジア。2つの祖国と愛する父親のために

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