LIFE STYLE | 2021/03/03

週1回の注射で体重15%減少!肥満治療の特効薬が発見されたと英大学研究チームが発表

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文:山田山太
新型コロナウイルスにより、人々の外出が減り、運動不足、そし...

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文:山田山太

新型コロナウイルスにより、人々の外出が減り、運動不足、そして体重の増加に悩んでいる人も多いだろう。アメリカでは人口の40%以上が肥満にあり、大きな社会問題となっている。

そんな中、イギリスの大学の研究チームはそんな問題を解決する可能性を秘めた薬を発見したとして、大きな話題を集めている。

投与グループの約30%は20%以上の体重減少に成功

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンにて肥満に関する研究を行うレイチェル・バターハム博士ら研究チームは先月10日、医学雑誌『The New England Journal of Medicine』に、2型糖尿病の治療薬「セマグルチド」が肥満に対して非常に有効であるという論文を発表した。

実証実験は、世界16カ国、約2000人の肥満状態にある成人を対象に68週間にわたって実施。被験者は2グループに分けられ、一方のグループにはセマグルチドを投与し、もう一方のグループには偽薬を投与した状態で、体重減少のために定められた生活を送ってもらった。

すると、偽薬を投与されたグループの体重減少がわずかであったのに対し、セマグルチドを投与したグループは、平均で14.9%もの体重の減少がみられた。また、投与したグループの約30%は20%以上の体重減少に成功したという。ナタ―ハム博士は「このレベルでの体重減少の効果を出せた薬は他にありません。まさしくゲームチェンジャーです」「減量手術に近い効果を薬で出すことができるようになるのは初めてです」とその効果の高さを語った。

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