「魔法の薬ではない」特効薬に懸念点も
肥満に対する特効薬が発見された一方で、まだまだ懸念点は多いようだ。例えばセマグルチドは週に1回、皮下注射によって投与する必要があることや、実験終了後にセマグルチドの投与を中止してからの被験者に関するデータがまだ集まりきっていないとのこと。
また、キングス・カレッジ・ロンドンの名誉教授である栄養学者のトム・サンダース博士は「このような薬物は短期的に重度の肥満を解消するために有用であるが、軽度の肥満の治療や予防に対しての魔法の薬ではない」と述べたと『Science Media Centre』は報じた。現在、米国FDAは、イギリスとヨーロッパとともに、今回の実験結果を評価している。
薬一つで体重を自在に変化させる社会が、近い将来やってくるのかもしれない。それまでは適切な運動と食事、これに尽きるだろう。