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Netflixの『マイクラ』映像化の陰に『フォートナイト』あり。なぜ、今ゲーム原作の映画が増えているのか?【連載】ゲームジャーナル・クロッシング(1)|Jini
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  • 2020.11.28
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Netflixの『マイクラ』映像化の陰に『フォートナイト』あり。なぜ、今ゲーム原作の映画が増えているのか?【連載】ゲームジャーナル・クロッシング(1)|Jini

ゲームジャーナリストJiniと共に、作品、カルチャー、そしてビジネスなどあらゆる角度からゲームの最前線に迫っていく連載「ゲームジャーナル・クロッシング」がスタート。

第1回となる本稿では、「今、ゲーム原作の映画が増えている理由」をテーマに、マリオ、ファイナルファンタジー、ポケモンといった名作を入り口に、いくつかの作品を取り上げていきたい。さらに、今最も勢いのあるコンテンツ企業「Netflix」の作品群を通すことで見えてくる、ゲームと映画の関係性とその未来について探っていく。

Jini

ゲームジャーナリスト

はてなブログ「ゲーマー日日新聞」やnote「ゲームゼミ」を中心に、カルチャー視点からビデオゲームを読み解く批評を展開。TBSラジオ「アフター6ジャンクション」準レギュラー、今年5月に著書『好きなものを「推す」だけ。』(KADOKAWA)を上梓。

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マリオ、FFでの失敗を経た、ピカチュウの成功

多くのゲーマーにとって、あるいは映画ファンにとって、ゲームを原作とした映画の発表はあまり歓迎されなかった。

大半が、つまらないのだ。『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』は今でもマニアにとってはお笑い草である。くたびれた配管工のおっさん(ボブ・ホスキンス)が、なぜか原作とは正反対のサイバーパンク感あふれる地下帝国に忍び込み、妙にグロテスクなヨッシーが出てきて、火を噴くのではなく火炎放射器をぶっぱなすクッパ(デニス・ホッパー)と戦うという珍妙な内容だ。マリオの生みの親ともいえる宮本茂は「作家性の持った違う解釈ができる作品は面白いです」と微妙な表情で語り、主演のボブ・ホスキンスは「自分のキャリア史上最悪」と嘆くなど、約50億円の製作費を使った割に散々な結果に終わった(まぁ、筆者を含め正直嫌いになれないファンもいるとかいないとか)。

『マリオ』は映画側の無茶が原作のゲームを歪めてしまった典型だが、ではゲーム側が映画に寄ればよい作品が作れるかといえばそうとも限らないと、我らがスクウェア(現スクウェア・エニックス)が証明してくれた。2001年に公開された『ファイナルファンタジー』である。ゲームクリエイターの坂口博信自らメガホンをとり、史上初のフルCG映画として、製作費1億3700万ドルをかけ、テーマソングにL'Arc〜en〜Cielを起用するというスクウェアの威信をかけたプロジェクトだったが、興行は振るわなかった。

ゲーム原作で映画を撮ることの難しさは、この2作の挑戦からもうかがえる。どちらも膨大な予算を投じて、キャストや宣伝もぬかりなく、それでもなお失敗した。つまらなかった。それはなぜか。プレイヤーが操作することで体験を作るメディアであるビデオゲームと、観客がシートに座って映像について思考を巡らせるメディアである映画は、媒体の性質がまったく異なるからだ。だからゲームと同じストーリーで映画を、あるいは映画と同じストーリーでゲームを作ったとしても、うまくいくはずがないのである。

ところが近頃、改めてゲーム原作の映画が注目を浴びている。中でも評価が高かったのは、ロブ・レターマン監督の『名探偵ピカチュウ』だろう。ジャスティス・スミス演じる青年が、なぜか人間の言葉を話せるピカチュウと共に、自分たちのルーツをたどるという物語だ。最初こそピカチュウがしゃべる、しかも妙にモサモサしているとファンに警戒されたが、いざ蓋をあけてみればゲームのポケモンにはない、大人が旅をする上での温かみ、また苦みのような味わいを含んだ良作で、最終的には製作費1億5000万ドルに対して1年で3倍の4億5000万ドル近い興行収入を得た。

なぜマリオやファイナルファンタジーがこけて、『名探偵ピカチュウ』はうまくいったのか? それは、原作のゲームに依存することなく独自の映画を作ったからだ。『名探偵ピカチュウ』はゲームの魅力、例えば愛らしいポケモンや、彼らの同居する世界観といったベースをそのままに、少年ではなく青年の目線で作り上げられていた。つまり子供の頃にゲームボーイなどでポケモンに夢中になったものの既にそこから離れてしまった……という青年たちの共感を得られるような映画なのである。これは「今の」子供に寄り添うオリジナルのポケモンにはない、映画ならではの「ポケモン」だった。

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