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「イジメられたこともあったけど」50歳になったダウン症の父親へ、娘からの手紙に心打たれる
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  • 2020.08.24
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「イジメられたこともあったけど」50歳になったダウン症の父親へ、娘からの手紙に心打たれる

文:滝水瞳

フィリピンのセブ島に住むリッチー・アン・カスティージョさん(25歳)は昨年6月2日、50歳になったダウン症の父親へのお祝いのメッセージを、自身のFacebookに投稿した。ダウン症は病気を併発しやすく平均寿命が短いと言われており、50歳を迎えられたことは奇跡だという。

リッチーさんのこの投稿が今、複数の海外メディアで取り上げられ、大きな話題となっている。

「一つ後悔があるとすれば」届くか分からないお祝いのメッセージ

親愛なるパパへ 今日はあなたの人生の中でとても特別で奇跡的な節目です。あなたは今日50歳になり、長く美しい人生を生き続けている幸運に感謝しています。医師も驚いています。

あなたがFacebookのアカウントを持っているかわからないので、これを読めないとは思いますが、あなたが私の父親であることをどれだけ誇りに思っているか世界中に知らせたいのです。

パパ、すべての人が真実を知っているわけではないので、勇気をもって立ち向かうまでに何年もかかってしまいました。私は小学校の頃、あなたが他人と違うという理由でイジメられました。私はそうは思わず、なぜ彼らが私をからかって異常と呼ぶのか理解できませんでした。のちに理解した時、私は臆病者になりました。でもあなたは、私みたいな臆病者の娘以上の存在です。他のダウン症の人たちと同じように、あなたは愛や理解、忍耐や支持を受けるに値します。私はこれまで何もしてこなかったので、この誕生日のメッセージを書いています。

パパ、あなたは私が今まで出会った中で最も強く勇敢な人です。これまで、医師に針を刺すことを許し、数々の手術や透析の日々、多くの制限に耐えてきました。でもあなたは不満を漏らしたことがほとんどありませんね。

病院での手術や治療、入院を経ても、あなたは『Wa ko mahadlok mamatay kay ni salig ko sa Ginoo』、つまり『神を信じているので、恐れていない』と言っていましたね。透析センターで長い一日を過ごしたり低血糖を何度も発症したりした後でさえ、常に笑顔でいてくれました。あなたはそんな多くを乗り越え、一度たりともおののくことのない、とても勇敢な人です。私はあなたの身になって想像することさえもできません。

私はあなたが最悪の状態になり、衰弱して疲れたと言うのを目にしたこともあります。『Kapoy na(疲れた)』『Sakit kaayo(本当に痛い)』という言葉を聞いた時、私は何日も泣き続け、病院に戻ることも出来なくなりました。体液が溜まって膝が痛くなり、泣いている姿も見ました。痛みを変わってあげられたらと何度願ったかしれません。あなたは歯を失っても、悩むことなく食事を楽しみ続けましたね。あなたはいつもpostiso(入れ歯)を失くします。はは!故意に失くしているのを知っています!私はあなたの歯や髪の毛のある姿を忘れてしまっていました。

パパ、娘がそばにいなくて本当にごめんなさい。海に連れて行ってあげなかったり、お気に入りの点心を持って行かなかったり、お見舞いに行かなかったりしてごめんなさい。後悔していることが1つあるとすれば、イジメられるのが怖かった幼い私は、あなたの存在を隠したことです。でもあなたが思う以上にあなたを愛しています。パパ、私はいつもあなたから刺激を受けています。私はあなたが神を愛することに触発され、私も神を愛するようになり、あなたの信じられないほどの賢明さに驚いています。

誰もがあなたを尊敬していることを知っているでしょう。いつでも周りに笑顔にすることができます。人を困らせることがあるけれど、それでも私たちはあなたを愛しています。あなたには良い日と悪い日があることを理解しています(あなたの悪い日は私たちの悪い日でもあるけれど、笑)。 あなたは時々意地悪になり、私を含むすべての人を拒絶することもあります。しかし、それもあなたなのだから、大丈夫です。他人と違っていてもかまいません。

あなたについてまだ話し足りないけど、長くなりそうです。50歳のお誕生日おめでとう、パパ!いつも唯一無二のかわい子ちゃんと呼んでくれてありがとう。パパ、あなたのおかげで私は強く勇敢でいられます。愛しているよ、パパ。イジメっ子たちから身を守るのに、もう十分成長したと思います。たくさんの愛を込めて、あなたの娘より。

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