CULTURE | 2020/04/15

2億5000万円横領しキャバクラ通い!だけど女性とは会話せず?衝撃の理由に傍聴席が震撼【連載】阿曽山大噴火のクレイジー裁判傍聴(12)

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月曜日から金曜日の9時...

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阿曽山大噴火

芸人/裁判ウォッチャー

月曜日から金曜日の9時~5時で、裁判所に定期券で通う、裁判傍聴のプロ。裁判ウォッチャーとして、テレビ、ラジオのレギュラーや、雑誌、ウェブサイトでの連載を持つ。パチスロもすでにプロの域に達している。また、ファッションにも独自のポリシーを持ち、“男のスカート”にこだわっている。

裏金作りのストレスから2億5000万横領

年度末と年度始めは人事異動の都合もあって、毎年裁判の少ない季節。なのでちょっとだけ古い裁判傍聴記を。

罪名 業務上横領
J被告人 無職の男性(49)

起訴されたのは2件。1つ目は、2013年1月~2015年6月の間、当時J被告人が勤務していた電気工事会社の銀行口座から自分の銀行口座に、15回に渡り計1億4344万8744円を入金して横領した件。2つ目は、2015年8月~2017年9月の間、J被告人が勤務していた電気工事会社の銀行口座から自分の銀行口座に、22回に渡り計1億899万5150円を入金して横領した件。捜査か起訴の都合で、2つに分かれているけど、同じ会社での横領事件です。

去年の年末には約2億5000万円の横領のうち2億をキャバクラ使ったとみられると報じられていた事件だけど、果たしてホントにそんなにキャバクラ嬢に熱を上げていたんでしょうか。

検察官の冒頭陳述によると、J被告人は専門学校を卒業した後に学校の職員として働き、派遣会社を経て、1996年に被害会社に就職。経理を担当していたが、本件の発覚により、2017年11月に解雇となっているそうです。

2009年には経理部のセンター長という立場になり、請求書を会計ソフトに入力して、会社のお金を出入金するのが基本的な業務だったという。しかし、会計ソフトは入力したデータ上での数字と実際の入力額が違ってもエラーにならなないという欠陥があり、J被告人はキャバクラでの遊興費を捻出するために請求書の数字をいじって自分の銀行口座に入金していたとのこと。

取り調べに対して、J被告人は「年度末の調査で数字さえ合っていれば、横領がバレることはなかったので、年度末に支払手形を水増しして、やりくりしていた。横領したお金は99%キャバクラで使った」と供述しているそうな。99%となると、報道では2億と伝えられてたけど、それ以上の額をキャバクラで使っていたことになりますね。かなりやり手のキャバ嬢がいたのかと思ってたんですけどね、この時点では。

法廷には被告人の奥さんが情状証人として出廷しました。

弁護人「被告人と知り合って、どれくらいですか?」
証人「付き合って25年、結婚して21年です」
弁護人「どんな性格ですか?」
証人「人に優しくてお人好しで、悩みを打ち明けられず一人で抱えてしまうお人好しなところがあると思います」

どうやら奥さんにもあまり悩み事などは話さなかったようです。

弁護人「会社勤めに関してはどんな様子でした?」
証人「辛そうでした。入社してからパワハラを受けていたそうで」
弁護人「具体的には?」
証人「いつも裏金作りをやらされて、やりたくないことを強いられていると」

入社したのが96年だから、20年にわたるパワハラ。しかも裏金作りとなると、穏やかな話じゃないですね。この後、キャバクラ通いは本件発覚後に知ったこと、離婚はしないで支えていくと約束していました。

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