EVENT | 2020/03/03

新卒社員が半年でゲームを企画し、販売まで経験。『シブヤ ストラグル』を作り上げた、ディライトワークス「ボードゲーム制作研修」の意義とは?

写真後列左から、立山幸介さん(DELiGHTWORKS SWALLOWTAIL Studios プロデューサー)村山脩さ...

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写真後列左から、立山幸介さん(DELiGHTWORKS SWALLOWTAIL Studios プロデューサー)
村山脩さん(マーケティング部 宣伝セクション)
黒田将太さん(第2制作部 FGOスタジオ 企画セクション)
淵本大平さん(DELiGHTWORKS SWALLOWTAIL Studios)
小澤雄二さん(HR部)
前列左から、松田冴映子さん(アート部 ディライト アートワークス)
陳佩均さん(技術部 ゲームプログラマー)
屋代元さん(第2制作部 FGOスタジオ 企画セクション)

世界規模の人気を誇るスマホ向けゲーム『Fate/Grand Order』を企画・開発・運営するゲーム会社・ディライトワークスは、2018年度から新卒社員が入社するようになったが、その研修内容が非常にユニークで話題となった。

それは「オリジナルのボードゲームを制作し、実際に販売する」というものだ。

ボードゲームやカードゲームなど、電源を使わないゲームは「アナログゲーム」と称され、市場規模こそデジタルゲームには及ばないが、世界中に熱量の高いファンコミュニティが長年存在する。日本最大規模のアナログゲームの展示即売会「ゲームマーケット」も2000年の開始以来、ずっと右肩上がりで参加者・出展者を伸ばしているし、近年では「ビジネスのチームビルディングや新アイデア発想の役に立つ」と言われ、企業研修に取り入れられるケースも増えている。

いくらディライトワークスがゲーム会社だとはいえ、アナログゲームを「使う」ではなく「作る」のはなぜか。社員研修としてどんな効果があるのか。2019年に『シブヤ ストラグル』を制作し、実際に先述のゲームマーケットで販売も手がけた新入社員と、それを支えたアナログゲームプロデューサーや研修担当の皆さんに話をうかがった。

聞き手・文・写真:神保勇揮 構成:平田提

ゲーム開発の全行程に関わったことのないクリエイターが増えている

『シブヤ ストラグル』は2020年の架空の「シブヤ」を舞台に、最大4人のプレイヤーがギャングとしての覇権を争うゲーム。サイコロを振った目の合計でバトルを重ね、「構成員・武力・財力・運」のパラメーターを高めて、ラスボスである「KING」に勝利したプレイヤーが勝ちとなる

―― ディライトワークスは「Fate/Grand Order」(FGO)などスマホゲームの開発で有名ですけど、ボードゲームも手がけられているのを興味深く感じていました。

立山幸介(アナログゲームプロデューサー):私たちはゲームメーカーとして、新しい、面白いゲームをユーザーに届け続けたいという思いがあります。社内に社員向けのボードゲームカフェを設置するなどクリエイターの学びのための環境を整えたのも、ディライトワークスが次のステップに進むため。さまざまなジャンルやプラットフォームで面白いゲームを作って届けたいからなんです。

弊社とJELLY JELLY CAFEの白坂翔さんとのご縁もあって、協力いただきボードゲームカフェを設置したのが2018年の3月です。今のゲーム業界はデジタルゲームが主流ですが、ボードゲームにはゲームそのものの面白さが詰まっていると思うんです。奥行きだったり手触りだったりがそれぞれ異なることや、ルールやデザインもゲームによってさまざまです。その個性的な魅力に触れて得られる学びがデジタルゲーム作りにも活かせないかと。

立山幸介さん(DELiGHTWORKS SWALLOWTAIL Studios プロデューサー)

―― 「新入社員にゼロからボードゲームを制作させる」という取り組みはいつから、どんな経緯で始まったのでしょうか?

小澤雄二(採用担当):新卒社員の採用・研修自体、2018年に開始したのですが、最初に弊社クリエイティブオフィサーの塩川から「新入社員の研修にボードゲームを取り入れないか」と提案があったんです。

小澤雄二さん(HR部)

昨今のゲーム業界は、制作の大規模化・分業化が進んでいます。その中で若手、新人は制作の一部分を担うことが多い。特に若手は、キャラクターのテクスチャ、イベントの難易度調整・報酬の設計など、ゲーム制作における一部分を担当することが非常に多く、専門性が高まる反面、ゲーム制作そのものの全体像を掴みにくくなってしまいます。また、携わっていたゲームがリリース前に開発中止になってしまうことも、この業界では珍しくない。自分の携わったゲームがリリースされるということを経験できないまま時間だけが過ぎていく……という若手クリエイターも少なくありません。

―― それは業界全体の問題ですか?

小澤:ゲーム業界全体としての問題だと感じています。ボードゲーム制作の研修を通して、企画からお客さまの手に届けるところまでをしっかりやってもらうことで、ゲーム制作の全体像を学んでもらいたいという思いがあったんです。

立山:商品のリリースのみをゴールにすることもできたんですが、アナログゲームの大規模即売会であるゲームマーケット(ゲムマ)もあるし、それならゲムマに出展してお客さまに直接商品をご紹介するまでを新入社員の皆で体験してもらうことにしました。

通常業務とプロジェクトを並行させ、スケジュール管理を学ばせる

――新入社員の皆さんは入社してすぐゲームを作ることになったと思うんですが、役割分担はどう決めていったんですか。

松田冴映子(新入社員):それがすぐには決められなかったんです。みんなが企画もデザインも何でもやるよ、みたいな感じでした。

黒田将太(新入社員):でも途中から、みんなが対等だと話が進まないことに気づいて。仕方がないから、きっちり決めようって話し合ったんです。どうも、そう気付くように小澤に誘導してもらっていたみたいなんですけど(笑)。

小澤:そうですね。2018年度の新入社員が作った『CHAINsomnia~アクマの城と子どもたち~』では全員で作っていたんですけど、どうしても自分の職種の作業に集中し、他の職種にまで視野が広がらないという反省点もありました。2019年は全員がゲーム制作の全体像が理解できるように、プランナーもデザイナーも自分の仕事だけじゃなく、ほかの職種の仕事もきちんと学べるようになってくれたらと思っていました。

ただ、あまり具体的な指示は出していなかったんです。もちろん質問されれば答えますし、フォローはしていくつもりではあったんですけど、自分たちで主体的に決める、そのために先輩を頼るということも一つの学びとして経験してほしかったんです。

立山:最初にプロジェクトが立ち上がったとき、チームで一丸となって作ってもらうためにグループ一つで企画を出してくださいとお願いしました。チームワークで作ってください、企画を出した後の進め方は任せるよ、と。

―― 新入社員の皆さんはボードゲーム制作の研修以外に、もちろん普通の業務もあったわけですよね。

村山脩(新入社員):そうですね。4月の基本的な新人研修が終わり、5月は週5日『シブヤ ストラグル』の制作のみの業務でしたが、6月からは週2日はほかのプロジェクトも業務として入っていました。

屋代元(新入社員):通常業務との調整や、自分自身でのスケジュール管理をする能力も求められたので、マルチタスクに慣れる面で良い機会になりました。

小澤:もちろんそういう意図はありつつも、実際の現場の業務にも早く慣れることが必要なので、現場のOJTと並行しつつ『シブヤ ストラグル』の制作は進んでいきました。

ゲーム業界未経験の元ラグビー部員がゲーム制作を学ぶまで

―― ボードゲームを作る時って、どんな作業からスタートするんですか?

淵本大平(新入社員):監修をしていただいたゲームデザイナーのカナイセイジさんからは、題材やテーマから決める人もいれば、メカニクス(ゲームをより面白くするためのあらゆる仕掛け)・ゲームデザインから作るのが得意な人と2パターンあることを教えていただきました。

村山:僕たちはみんなでワイワイ会話が弾むようなゲームを作りたかったのと、昨年度の先輩たちが作ったのは協力型のゲームでしたので、差別化を図るためにも自分たちは対戦型を作りたいと思っていました。

2018年度の新入社員は『CHAINsomnia~アクマの城と子どもたち~』を制作。プレイヤー同士が協力して「アクマの城」からの脱出を図るという内容で、同年のゲームマーケットに出品したところ見事会期の2日間で完売した

屋代:今回の場合は対戦型というゲームシステムが先で、途中で「近未来マフィア」という世界観のテーマが生まれました。しかしこのテーマは設定を詰めきれていなかったため、社内でのテストプレイの際に指摘を受け、最終的には「ギャング」の縄張り争いをテーマに据えました。

立山:みんなが一生懸命に考えてくれた「近未来マフィア」のアイデアで、ほぼゲームは出来上がっていたんです。社員のみんなでテストプレイした際に面白いと言ってくれる人もいたんですが、そのテストプレイで的確な指摘があがりました。

『シブヤ ストラグル』のプレイ序盤では、写真の全9マスのうちどれかに「構成員」となるコマを置き、マスに書かれた内容に応じて自身のパラメーターを強化していく。複数のプレイヤーが重なった場合はサイコロの目の合計でバトルを行い、勝った1人のみがパワーアップできる

1つはコンセプトが何か一目でお客さまに伝わりにくいこと。2つ目は誰にこのゲームを届けたいのかという、ユーザー層が見えにくいということでした。それでみんなにもう一度コンセプトを考え直してもらいました。

―― 紆余曲折を経て開発していったんですね。

淵本:ボードゲームは学校の課題の一環で作ったことはあったんですが、商品として作るとなると全然違いました。メンバーの中にはボードゲームをあまり遊んだことがない人もいたので、ボードゲームって何だ?というところから始めました。ボードゲームの面白さを言語化できていなかったので、自分たちの企画の面白さをプレゼンするには言葉や知識も少なく、それゆえに自信もありませんでした。

―― どうやって克服していったんですか?

淵本:カナイさんや白坂さん、あとは同期の中でもボードゲームに多く触れていた屋代に「ボードゲームの面白さはこういうこと?」と聞いて話し合って。そしてまずはチーム全員で遊んでみました。「このゲームはここが面白いから取り入れてみたい」とか、逆に「このゲームはここをもうちょっとこうしたら面白くなるんじゃない?」という発言が出せるようになるまでやりこみました。

―― 何本ぐらいのボードゲームで遊んでみたんですか?

陳佩均(新入社員):たぶん30は超えています。

淵本:有名どころの『カタン(CATAN)』とか『スプレンダー(Splendor)』とか、『街コロ』とか……。

松田:『シャドウレイダーズ』とか、他にも色々プレイしましたね。

―― 一気にたくさんのゲームを遊んでみて、どんな学びがありましたか?

陳:ゲームに関して知識が増えたので、さまざまなアイデアが生まれましたが、お互いに納得できる作品を追求するあまりに後半はチームのスケジュール管理ができなくなってしまいました。あの時、社内の先輩方からたくさんアドバイスいただき、自分の行動を見直すことができました。そしてPMを務めた村山にいろいろ管理してもらって、タスクの優先順位を付けることができ、集中できる状態になりました。周りの方々にいろいろ助けていただきました……! 本当に感謝しています。

村山:僕は普通の大学生で、ゲーム制作に関する知識は一切持っていませんでした。ディライトワークスにも宣伝として入社したので、開発中に何かできる事はないかと考え、みんなのタスク管理を行うPM(プロジェクトマネージャー)という役割を引き受けました。もともと体育会系でラグビー部の人間だったので(笑)、PMという役割は大変でした。

これまでの生活で、チームのスケジュール管理などの経験が一切ない中、プロジェクトマネージャーをやることになったんです。まずはとにかく情報を集めようと、プロジェクトマネージャーについて書かれた本を読み漁りました。わからないことがあった時は先輩社員の方々に質問することで、より知識を得られました。メンバーの協力も得ながら後半には何とか自身でスケジュールを組んで進めることができました。大変だったんですけど、チーム全体のタスクを把握することでゲーム制作の流れを学ぶことができました。

松田:私は美大出身だったのでゲーム制作は全くやったことがありませんでした。『シブヤ ストラグル』では、アートディレクションを担当し、仕様書を作って協力会社さんに発注してそのデザインのディレクションを行いました。外部とのやりとりも発生し、ゲームマーケットに向けた入稿のスケジュールはずらせません。いいものを作りたいけど、工数も考慮しなければならない。開発が滞っていたときは協力会社のデザイナーさんをお待たせしてしまったこともあったんですが、協力会社の皆さんがすごく寛大な心で受け止めていただいて……。社内の先輩たちだけでなく、外部の協力会社さんに教えていただくことも多くあり、とても感謝しています。

ゲームマーケットの試遊台は毎回満席に

2019年11月23~24日に東京ビッグサイトで行われた「ゲームマーケット2019秋」の模様。新入社員たちもレジや試遊台のスタッフとして全員参加(写真中央左に写っているのは陳さん)。連日試遊台が埋まり、キャンセル待ちが出るほどの盛況だった

―― そうやって苦労されてゲームを制作する上で、こだわった点は何かありますか?

淵本:ネットで対戦するゲームが多い今は、対面でプレイする機会があまりないと思うんです。アナログゲームのいいところはその場限りの盛り上がりだと思っています。『シブヤ ストラグル』には「抗争カード」というものがあるんですけど、そこに中二病的なセリフを入れています。勝敗を決めるタイミングで言わせたら盛り上がるんじゃないかと考えました。そういうプレイヤーが思わず「よっしゃ!」と言ってしまうような、カナイセイジさんいわく「よっしゃポイント」をゲームのどんな瞬間に、どんな風に取り入れていくかということは、こだわってよく議論していました。

「抗争カード」はプレイヤー同士のバトルの前後いずれかに使用し、自身に有利な効果をもたらす。各カードに書かれたセリフを読み上げなければ効果が発動しないところがポイント

松田:私はデザイナーとして、パッケージのキービジュアルや、裏面の文字の入れ方などを試行錯誤しました。黒田や先輩のデザイナーの方々と何回も話し合って時間をかけて出来あがったものなので、思い入れがあります。

陳:私はUIにこだわって作れたのが嬉しかったです。カードやステータスボードも、バランスに注意して、ボードゲームに慣れていない人でもわかりやすいデザインにすることを心がけました。また、カードやステータスボードの細かなデザインにもこだわりました。プレイヤーには、「シブヤ」にやって来たニューフェイスのギャングになりきってプレイしてほしいと思っています。各プレイヤーがざなざまなギャングとなって登場することを表現するため、カードやステータスボードに印刷されたシューズの足跡の形や大きさのデザインを違うものにしています。

各プレイヤーのステータスを示すボードの真ん中から右下にかけて、よく見るとスニーカーの足跡部分のデザインが全部異なっている

屋代:プランナーとしてこだわったのは、プレイヤーの方に「ゲームを有利に進めるためにどうしたらいいか」と考えてもらえるような設計です。『シブヤ ストラグル』はシンプルなルールでありながら、プレイに慣れてくると相手のやりたい行動を予測して、自分の持っているリソースを最大限発揮する等、ぐっと戦略が広がって楽しめると思っています。ボードゲームの初心者が、ゲームを理解してから戦略を楽しめるようになるなど『シブヤ ストラグル』を通してそういう点に気づいてステップアップしてもらえたら嬉しいです。

黒田:僕は企画を担当していましたが、パッケージ裏の構成も担当していました。みんなで作り上げたゲームなので、お客さまが手に取って説明を読んだときに、プレイしたくなったりワクワクするようなところをいっぱい詰めたいと思いました。なので、「エリアにチームの構成員の配置!」とか「シブヤ最強を目指せ!」とか、ゲームの特徴を表現したフレーズをパッケージ裏に敷き詰めています。『シブヤ ストラグル』のパッケージに惹かれて手に取り、それを裏返したときに「気になるな」「遊んでみたいな」と思っていただけると嬉しいです。

『シブヤ ストラグル』のパッケージ裏

村山:僕はPMだったんですけど、デザイナーが作る資料をいろいろとお手伝いすることもあり、デザインは積極的に意見を出していたため、思い入れがあります。僕は宣伝の部署に配属されたこともあって、キャラクターはお客さまにとって大きく目に入るもので重要なシンボルだと思ったので、ターゲットが一目で見てカッコいいと思えるものにできないかデザイナーとよく話していました。例えばあるキャラクターはカジノやキャバクラを牛耳っているという設定なので、頭も良いけどサイコパスっぽい要素が一目で分かるといいよね、とか。

―― ゲームマーケットでの反響はいかがでしたか?

屋代:試遊台は毎回満席でキャンセル待ちということが多かったので、当日もスタッフとして間近で見ていてすごく嬉しかったです。

―― 当日の販売実績にかかわらず、一般発売の予定は決まっていたんですか?

立山:一般発売は最初から決めていました。研修だけで終わるわけではなく、「商品として世に出す」という意識で取り組んでもらえたと思います。

ほかの職種を尊重できるようになる社員研修になった

昨年11月に行われたメディア向け体験会でもしっかりとゲーム説明を行ったほか、監修を務めたカナイセイジさん(ボードゲームデザイナー)、白坂翔さん(JELLY JELLY CAFE)とのトークセッションを完遂した

―― 社員教育としてのボードゲーム制作は、具体的に挙げるとするとどんなポイントが良かったと言えるでしょうか?

小澤:新入社員のみんなは、企画の生みの苦しみから、お客さまに実際に手渡して売るところまで一貫して体験できたので、お客さまがどういう顔をして受け取ってくださったとか、ゲームをプレイしてどのような反応をされていたなど、そういった部分も含めてゲーム制作の全体像が見えたんじゃないかと思います。

また、最初に比べるとコミュニケーションをしっかり取って仕事ができるようになってきたと思います。業務連絡というだけじゃなく、相手は今こんな仕事をしているからこういう言い方がいいな、伝わりやすいだろうなと気を遣えるようになりました。

今回はプロデューサーの立山も一緒に付いていたので、実際にプロデューサーがどんな仕事をするのかが見られたのも良かったと思います。

―― 立山さんはいかがですか。

立山:最初にも話題が出ましたが、企画からゲームデザイン、コンポーネント、パッケージのデザイン、宣伝をして一般発売、お客さまに届く……という流れの中で、多くのゲーム会社の社員はその中のどれかしか担当しないことが多いんです。ほかの人はこんな苦労をしているんだ、という体験がこんなにチームの距離が近く、短いスパンではなかなかできない。プロジェクトが終わってから普通の業務に移るときに、この人にお願いする場合はちゃんと相手を尊重してオファーしないといけないとか、それぞれの事情や考え方が分かったのはとてもいい経験だったんじゃないかと思います。

――この取り組みは2020年度以降も続けられるんですか?

小澤:会社の状況や業界の状態、あるいはもっと最適な題材が何かあれば、別の方法に移っていくこともあると思います。ディライトワークスとしては新人の教育に力を入れていきたいのは変わりませんので、2020年も何かしらのかたちで新人たちにとって意義のある研修ができたらいいと思っています。

――最後に、今後のディライトワークスのボードゲーム事業の展開について教えてください。

立山:2018年11月に初めてゲームマーケットで自社からリリースするボードゲームを制作して、丸1年ぐらいで4商品を出しています。デジタルゲームだと、1スタジオでこれほどゲームをリリースすることはほとんどありません。そんな中、私たちはこの1年でゲームをリリースし、お客さまに反応をいただくということを4度も体験したので、たくさんのことが学べたと思っています。

まずは、ディライトワークスをゲームメーカーの一つとして覚えてもらいたい。デジタルも、ボードゲームも、今後も継続して商品をちゃんと一つ一つユーザーに届けていきたいと思っています。