文:武者良太
動画内の情報に直接アクセス
動画による情報収集が一般的となってきた昨今、1つの問題も明らかになってきた。それは動画内にURLのハイパーリンクを埋め込むことができないことだ。
テキストベースであれば、執筆者や編集者が自由に任意の場所にハイパーリンクを埋め込み、読者にタップ/クリックしてもらうことで関連情報などにアクセスしてもらうことが可能だ。しかし動画に同様の導線を作るのは難しい。
そこで注目したいのが、パロニムが開発している触れる動画技術「TIG」だ。これは動画内に表示される吹き出しをリンクボタンとして使うもの。2018年3月のサービスイン以降、通信キャリア、アパレル、テレビ局や、地方自治体、大学機関など、さまざまな企業・団体のコンテンツで活用されてきた。
この技術は、今回紹介する動画メディアサービス「WATCHY」にも導入されている。動画メディアでありながら情報収集に特化しており、レシピ、おでかけ、エンタメなどにジャンル分けされた2分程度の動画を提供するサービスだ。
例えば、料理動画を閲覧中に、動画内で使用している調理家電の販売ページに1タップでアクセスしたり、旅行動画から詳細な観光スポット案内、Google Map、公共交通機関のページなどへのリンクがはられている。
検索ワードを入力してサイトを探したとしても、誰もが有益なページにアクセスできるとは限らない。動画の内容を補佐するページに誘導するには、いまや検索というクッションは挟まないほうがいいことも多い。だからこそ「TIG」の技術には期待がかかる。
9月6日、パロニムは新たにNTTドコモと業務提携を行い、「TIG」をベースとしたライブ配信用の触れる動画技術「TIG Live」を共同開発。コンサートやスポーツの試合などのリアルタイムコンテンツと関連情報ページをタップでつなげる環境を構築するようだ。
次世代高速モバイル通信の5Gのインフラが整えば、より動画視聴の機会は増える。そのときに「TIG」と「TIG Live」が普及していれば、ユーザーはよりリッチな体験ができるようになるだろう。