CAREER | 2026/09/09

画面を飛び出したAIが、現実世界で動き出す——フィジカルAIへの招待状

Arduinoとスイッチサイエンスが「Physical AI」コンテストを日本初開催

FINDERS編集部

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画面を飛び出したAIが挑む「フィジカルAI」への招待

AIが画面の中だけでなく、センサーとアクチュエータを通じて現実の動作に関わる「フィジカルAI」。そのプロトタイプ制作に挑む公式コンテスト「Arduino Physical AI チャレンジ2026」が、2026年9月15日(火)から始まる。

AIをめぐる話題は、これまで文章や画像を生成する「頭脳」としての性能に注目が集まってきたが、近年はロボットやIoT機器と組み合わせ、現実の環境を認識して動くAIへの関心も高まりつつある。ハードウェアと組み合わせて初めて価値を発揮するフィジカルAIは、電子工作の知見を持つメイカーやエンジニアにとって参入しやすい領域だと言えるだろう。

主催は電子工作の定番ボード「Arduino」を手がけるArduino S.r.l.(イタリア・トリノ)で、国内の正規販売代理店である株式会社スイッチサイエンスが共催する。Arduino社が日本で直接主催する公式コンテストとしては初めての開催となる。

コンテストの目的は、国内のフィジカルAI開発者コミュニティを広げることと、AIモデルの実装機能を備えた新型ボード「Arduino UNO Q」の新たな活用事例を生み出すことにある。応募対象は、純正Arduino製品を使ってAIスキルを実装し、アクチュエータなどを通じて現実世界に作用させたプロトタイプだ。日常の小さな不便を解決するアイデアから実験的な試みまで、経験の有無を問わず挑戦できる間口の広さが特徴である。

応募受付期間は2026年9月15日(火)から11月24日(火)まで。ProtoPediaのコンテストページから応募し、作品情報を掲載・公開することが条件になる。純正Arduino製品を使用していることに加え、日本在住者を中心とする個人またはグループで日本語での連絡が可能なことが応募条件で、未成年が応募する場合は保護者の同意が必要だ。

書類・作品審査を通過すると、2026年12月11日(金)19時30分から22時にオンラインで公開される「1st Stage審査会」に進む。審査基準は将来性、独創性、完成度の3点である。1st Stageを通過すると、まだ「Arduino UNO Q」を使っていない場合は本体(4GBモデル)が供与され、すでに使用している場合はスイッチサイエンスのクーポン(1万円分)が贈られる。

ここで選ばれた5名が、UNO Qの機材サポートを受けながら2027年1月31日(日)の「Final Stage審査会」に進出する。Final Stageでは将来性・独創性・完成度に加え、UNO QのAI性能をどれだけ生かせているかという発展性も問われ、最優秀賞にはArduinoの上位モデル「Arduino VENTUNO Q」が贈られる。

ロボティクスとメディアアートをつなぐ審査員、そして「まず作ってみる」ことの価値

審査には、情報科学芸術大学院大学教授の小林茂氏、アスラテック取締役でチーフロボットクリエイターの吉崎航氏、スイッチサイエンス取締役の九頭龍雄一郎氏という、メディアアートとロボティクス双方に知見を持つ特別審査員が加わる。ハードウェアのプロトタイピングと、AIを現実の動作に落とし込む視点の両方が審査に反映される体制だ。

スイッチサイエンス代表取締役社長の金本茂氏は、「AIや多様な開発ツールを誰もが手にできる今、ハードウェア開発には、アイデアを現実世界で形にする大きな可能性が広がっている」とコメントしている。プログラミングや電子工作の経験を仕事や趣味に生かしてきた読者にとって、アイデアを形にする最初の一歩を後押ししてくれる場になりそうだ。

AIが画面の外に出て、暮らしや仕事の現場で動き出そうとしている今、専門知識の有無を問わず「まず作ってみる」経験を積める機会は貴重である。ものづくりやAI活用に関心がある人は、応募要項をProtoPediaで確認してみてはいかがだろう。

小林 茂 情報科学芸術大学院大学 教授
吉崎 航 アスラテック株式会社 取締役 チーフロボットクリエイター
九頭龍 雄一郎 株式会社スイッチサイエンス 取締役

Arduino Physical AI チャレンジ 2026
応募期間:2026年9月15日(火)〜11月24日(火)

選考結果通知:2026年12月1日頃(書類・作品選考結果)

1st Stage審査会:2026年12月11日(金)19:30〜22:00(オンライン公開)

Final Stage審査会:2027年1月31日(日)(オンライン公開、時刻未定)

応募条件:純正Arduino製品を使用し、ProtoPediaに作品情報を掲載・公開できる個人またはグループ(日本在住者を主に構成、日本語での連絡が可能な方。未成年は保護者の同意が必要)

主催:Arduino s.r.l

共催:株式会社スイッチサイエンス

運営協力:一般社団法人MA(ProtoPedia運営)

応募方法:ProtoPediaのコンテストページから応募(受付開始:2026年9月15日)


公式サイト
https://protopedia.net/event/arduino-physical-ai