BUSINESS | 2025/07/04

マーケティングの今が分かる9冊
日本マーケティング本 大賞2025・ノミネート作品を発表

大賞は10月開催のマーケティングカンファレンスで発表予定

FINDERS編集部

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • line

研究と実践の 「今」 を映す9冊、マーケティングの現在地を読む選書リストが公開

日本マーケティング学会は、第8回「日本マーケティング本 大賞2025」のノミネート9作品を発表した。大賞の発表および授賞式は、2025年10月12日(日)に開催されるマーケティングカンファレンス内で行われる予定だ。

同賞は、マーケティング分野における優れた書籍を顕彰する目的で2018年に創設された。マーケティングの理論や実践の普及に資するオリジナルな書籍(テキストを含む、翻訳は除外)を対象に、日本マーケティング学会の会員による投票で選出される。今回のノミネートは、2024年4月1日から2025年3月31日までに刊行された41作品の中から、1次投票により得票数上位9作品が選ばれた。

ノミネート作品には、企業内のリードユーザーに着目した実証的な研究や、ABM(アカウントベースドマーケティング)に基づく法人営業戦略、さらには知的財産とブランド構築の関係性に言及する実務書など、多彩なアプローチが並ぶ。選書は学会員による2次投票によって最終選考が行われ、大賞および準大賞(ベスト3)が決定される。なお、票数が同数で並んだ場合のルールも厳格に定められており、上位3作品を超える受賞は認められない。

日本マーケティング学会は、2012年に設立された日本学術会議協力学術研究団体で、3,000名を超える研究者・実務家が所属している。「探求と創発」を理念とし、マーケティングカンファレンスや研究プロジェクト、サロンイベントを通して、学際的な知の交流を促進してきた。

今回発表されたノミネートリストは、学会の知的ネットワークが生んだ「読むマーケティング」の最前線とも言えるだろう。最終的な受賞作品が決定する10月まで、マーケティングに関心を持つ読者にとっては、今読むべき書籍の指針となる。

ノミネート作品は以下の9冊、ぜひ参考としていただきつつ、大賞の予測などをしてみてはいかがだろうか。

「エフェクチュアル・シフト:不確実性に企業家的機会を見いだすマーケティングの探求」
栗木 契 (著)|千倉書房 2024年6月刊行|ISBN:4805113154
「岡田卓也の時代:公器の理念が支えた静かなる流通革命」
石井 淳蔵 (著)|碩学舎 2024年12月刊行|ISBN:4502512915
「企業内リードユーザー:小売店舗販売員がもたらすイノベーションの解明」
渡邉 裕也 (著)|碩学舎 2025年3月刊行|ISBN:4502527211
「君は戦略を立てることができるか:視点と考え方を実感する4時間」
音部 大輔 (著)|宣伝会議 2024年12月刊行|ISBN:4883356140
「ブランド・リレーションシップ」
久保田 進彦 (著)|有斐閣 2024年8月刊行|ISBN:4641166323
「法人営業は新規を追うな:重要顧客と最高の関係を築くABM」
庭山 一郎 (著)|日経BP 2025年2月刊行|ISBN:4296207156
「マーケティング教育学」
坂田 隆文 (著)|文眞堂 2024年7月刊行|ISBN:4830952598    
「マーケティングの最強ツールは知財である」
杉光 一成 (著)|中央経済社 2024年7月刊行|ISBN:4502504912    
「リキッド消費とは何か」
久保田 進彦 (著)|新潮社 2025年2月刊行|ISBN:4106110768    

日本マーケティング本 大賞2025
ノミネート作品:全9冊
対象:2024年4月~2025年3月刊行のマーケティング関連オリジナル書籍
大賞発表:2025年10月12日(日) マーケティングカンファレンスにて
主催:日本マーケティング学会(2012年設立、日本学術会議協力学術研究団体)

日本マーケティング学会
https://www.j-mac.or.jp/

マーケティングカンファレンス
https://www.j-mac.or.jp/conference/