CULTURE | 2024/10/09

博報堂ケトルが生み出すSNSインフルエンサーの
エコシステム:STEAM STUDIO

連載:東急プラザ原宿「ハラカド」で原宿のカルチャーを紐解くインタビュー企画
 「ハラカドノカドデ」

聞き手・文:藤田琢己(J-WAVEナビゲーター) 編集:カトウワタル(FINDERS編集部)

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BtoBがメインの博報堂ケトルがBtoCとして商業施設に「出店」した理由と今後の展望とは

原宿の中心にある東急プラザ「ハラカド」に集まる様々な方に、FMラジオ局 J-WAVEでナビゲーターを務める藤田琢己がインタビューするFINDERSの連載企画「ハラカドノカドデ」。

第8回目の登場はショート動画の撮影編集や配信を行えるソーシャルクリエイティブ専門のスタジオ機能を備えた「STEAM STUDIO」の南さんと横山さん。

インタビューの様子は、PODCAST 番組でも公開されているので、合わせて楽しんでいただきたい。

-- 今回は同じ3FのSTEAMスタジオからお2人に来てもらいました。ではそれぞれ自己紹介をお願いします。

南:博報堂ケトルのクリエイティブディレクターやっております南と申します。よろしくお願いします。

横山:
(ラップの自己紹介あり)横山です。

-- いきなりのラップで入りましたね。持ちネタなんですね。面食らう人も多いかと思いますけれども

南:毎回僕は面食らっています。大体もうやめてくれと、ずっと公式にクレームを入れているんですよね(笑)。なかなか届かない(笑)。人の話聞いてくれない。

-- 我々J-WAVEはARRTSIDE CASTという音声コンテンツの収録スタジオですが、STEAMスタジオは、どういうスタジオなんですか?

南:いわゆるソーシャルメディア向けの動画コンテンツを制作できるスタジオ、というふうなところで日々情報発信しております。

横山:
そうですねSNSソーシャルメディアの中に住んでいるインフルエンサーやクリエイターと言われる人たちが多いですけど。そういう方たちが日常的にその場所を使って、クリエイティブを生み出していく、そんなところっていうのを意識しています。

南:
なんかいい声で喋ろうとしています?

横山:
そうですね。

南:
やめてください(笑)

-- お2人がそれに関わるようになったのはどういった経緯だったのですか?

南:一応あそこのスタジオは、博報堂ケトルという広告代理店の中のクリエイティブブティックと呼ばれるクリエイティブスタッフが集まってきている会社がありまして、そこがオーナーになっています。

そしてこのケトル自体はたくさんいろんなメンバーがいるんですけども、僕も含めてハラカド全体のPRとか企画そのものに携わらせていただいていて、そのご縁があり「せっかくなら自分たちもテナントになっちゃおうか?」なみたいな話が東急さんからお話もあって、そうなると我々的にもちょっと実験というか、新しい試みをしてみようと。

ご存知の通り我々はどちらかと言えばBtoBの仕事をしていることがほとんどでして。基本は黒幕なわけですね。そういう意味でいくと基本的にこういう商業施設にお店を出すってことではない仕事なのですが、チャレンジも含めて、もし僕たちがtoCというか、お客さんたちが普通にいるこの商業施設にいたらどうなるんだろう?みたいなチャレンジの形でやらしていただいた、っていうのがきっかけです。

いろんなお仕事させていただいていますけども、さっき横山からも話があったようないわゆるソーシャルメディアに住んでいるクリエイターたちが、この原宿という「カルチャーを発信してきた街」に、若いクリエイターたちが外の世界のクリエイターたちと繋がれるような場所があるといいよね、っていう話を会社でしていて、それきっかけでこんなスタジオ作るのはどうですかっていうふうに僕の方から提案させてもらって、結果この形になり、さらにそこに横のラッパーを引き込んだっていう感じですかね。

-- ラッパー横山さんは誘われたときに、どんなものが生まれてくるのか、どんな場所になっていくか、イメージはありましたか。

横山:僕はありましたね。僕は実は、PEAKという運営会社がありまして、博報堂のグループ会社ですけど、そこでいろんな取り組みをやっている会社で、そのメンバーでもあるんですね。

そこのメンバーとしてこれまでショート動画の世界にトライをしていたところもあって、そのクリエイターさんと実際にお会いして、受け持ったクライアントの皆様の商品などを実際に触ったりする場所っていうのがあまりなかったんですよ。クライアント様のオフィスとか、オンライン上とか、なかなか一堂に会す場所がなかったところもあって、南さんから、当時立ち話で、最初フラッとそんなお話をいただいたときに「びびっ」ときまして。

今までやってきたクリエイターさんとの「繋ぎ」みたいなとことがこの場所で作ることによって、より何か一緒にクリエイティブなことができるかもしれない、いわゆる共創とか協働とか、そんな言葉を南さんがよくお話するんですけど、そんなことが実現できるんじゃないかな、と思ったって感じです。

南:飲みの場で誘っただけで、こうやって実現して実際に業務として着地しているわけですから…

横山:いやもうね、僕の返事は「マジすか、やります!」と

-- 何か業務を引き継ぐのでははく、まっさらから何ができるかなっていう話だと思うんですけど

南:うん。面白がれないと多分入れない。

“蒸気のように熱くアイデアが沸く”スタジオがコンセプト

スタジオがどんどん変化して違う場所になって欲しいと語る南氏(左)と横山氏(右)

-- 「スタジオ運営しているんで使ってね」っていうスタジオ屋さんみたいな部分もありつつなんですけど、ケトルさんだとその動きが既に一つの何かしらのエコシステムじゃないすけど…

南:そうですね。まさにおっしゃっていただいてるようなエコシステムを作るというのは、割と元々の狙いでもあって、先ほどの横山からもあった通りやっぱり場所があるとすごく強くなるというか、とりあえずそこに集まろうか、という動き、それこそ原宿遊び行ったついでに「ここに寄ろうよ」みたいな話とかっていうモチベーションで全然いいと思っていて、何かそういうところがエコシステム作りのトライでもあるっていう形で、今みんなで回していますけど、どんどんそれが予想だにしない形に転がっていく方がいいかなって思っています。

横山:エコシステムだからね、生き物なんだよね。

南:うん。だから面白いんですよ。場所自体も、初めてお越しになった方は意外と、中にドーンとドームみたいなものがあって、ちょっと開けた場所があって、裏に小会議室があって・・・これどう使うんだろう?って多分悩まれるんですよ。

僕らも実はそうで、お仕事を一緒にやらせてもらったりとか、一時期ライバーさんに毎日のように100日ライブみたいにやってもらったりしていたんですけど。ライバーて、STREAM配信をやる感じ、すごい伸びていますけど。TikTokとかSNSのああいう方たちが使ってみた感想を聞いたりとか、実際にクライアント様と一緒にあそこポップアップスペースを使用して、さらに中がライブができたりとかしますので、ライブ×ポップアップの何か新しい取り組みみたいなこと言ったときに使えるんだとか。

横山:うん、どんどん日々何かしらが出てくる、っていうのはスタジオの名前にもつながっていて、蒸気みたいに自由に形を変えられるような場所があるといいよねっていう意味で、あと我々の元々の会社がケトル、ヤカンで蒸気のように熱くアイデアが沸いて、というコンセプトだったので、その先の蒸気がいいかなということで、蒸気、STEAMスタジオという名前にしておりました。

以下、ポッドキャスト本編に続く

STEAM STUDIOの南さんの「サブカル野郎〜原宿と広告の文化」トーク、横山さんが学生時代に「モテ塾」を開講していた話など、ディープな話はポッドキャスト「ハラカドノカドデ」で聴けます。
https://arrtsidecast.podcast.sonicbowl.cloud/podcast/harakadonokadode/episode/steamstudio/

連載記事一覧はこちらから
「原宿で交差する 人×人のドキュメンタリー ハラカドノカドデ」

https://finders.me/series/kqJTU8QIkzBoaL5mpYA/


STEAM STUDIO
渋谷区神宮前6-31-21 東急プラザ原宿「ハラカド」 3F
営業時間:11:00〜21:00(商業施設の営業時間に準じる)
TEL:03-6805-0085
公式サイト: https://steam-harakado.com/

藤田琢己 公式Webサイト
https://takumifujita.net/ 

ハラカドに誕生したラジオ局 J-WAVEによる本格的な音声収録スタジオ
J-WAVE ARRTSIDE CAST

https://www.j-wave.co.jp/arrtsidecast/