CULTURE | 2021/11/27

NFTはメタバースで必須の技術に。デジタル空間における個性と所有【連載】NFTが起こすデジタルアートの流通革命(11)

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おかげさまで拙著「だれにでもわかるNFTの解説書」(ライブ・パブリッシング...

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おかげさまで拙著「だれにでもわかるNFTの解説書」(ライブ・パブリッシング刊)が、発売1週間後に増刷となりました。書店さんからも追加注文が続々入っているそうです。本当に、ありがとうございます。ただ、あまりにも予約が入りすぎたのかアマゾンで予約もできない状態になっています(編註:2021/11/26現在は購入可能)。ご迷惑をおかけしています(大型書店さんだと在庫があるようです)。

さて、旧Facebookが社名をMetaにしたことで急速に注目を浴びるようになったメタバース。Googleトレンドを見てもNFTを追い抜くような勢いで検索回数が急増しています。NFTが流行語大賞にノミネートされたので、来年はメタバースが流行語大賞にノミネートされるのではないかと思うのですが・・・。

今回は、そんなメタバースとNFTは切っても切れない関係になるということについて考えてみたいと思います。

足立 明穂

ITトレンド・ウォッチャー、キンドル作家

シリコンバレーで黎明期のインターネットに触れ、世界が変わることを確信。帰国後は、ITベンチャー企業を転々とする。また、官庁関係の仕事に関わることも多く、P2Pの産学官共同研究プロジェクトでは事務局でとりまとめも経験。キンドル出版で著述や、PodcastでITの最新情報を発信しつつ、セミナー講師、企業研修、ITコンサル業務などをおこなうフリーランス。

旧Facebookが社名をMetaに変更したインパクト

これからは、SNSではなくメタバースをメインの事業にするということで、FacebookからMetaに社名変更をしました。このニュースが広がったことで、多くの人がメタバースという単語を知り急速に広がっています。

そもそもメタバースという言葉は、ニール・スティーブンスン氏の傑作SF「スノウ・クラッシュ」に登場します。ユニバースに対する造語としてメタバースという言葉を使ったのですが、この語感がいいことや「スノウ・クラッシュ」に描かれている仮想世界と現実世界が交差するサイバーパンクの世界の描写がまさにこれから起きるようなことを予言しているような内容なので、多く人に読まれました。そこからメタバースの言葉が独り歩きしています。本当に面白いSFなので、まだ読んでない人はぜひ一読することをおすすめします。もうすぐ早川書房から復刻版が出るそうなので、年末年始に読んでみてください。

個人的にはそこに登場する中国の人達が、巨大な船をつなげて移動する島のような国家になっているといった設定は、さもありなんと思っています(笑)。

セカンドライフでもNFTと同じようなことはできた

私が「スノウ・クラッシュ」を読んだのは、仮想空間セカンドライフが広まったころに、それを作ったフィリップ・ローズデール氏がこの小説からインスピレーションを受けたと語っていたからです。

そのセカンドライフでは、メタバース内のデジタルデータにはすべて固有のIDが割り振られていて、さらにコピー可能・コピー不可といった制限をつけることもできました。そのため、作者が誰なのか1つしか存在しないのかなど知ることができました。まさにNFTに近い働きをしています。

ただ、今のNFTと違うところは他のオンラインゲームなどと同じように、あくまでもサービス運用者側がデータベースを管理している中央集権であること。コピー不可になっているからオリジナルが1つしかないというのは、運営会社のデータを信じるしかありません。しかし、ブロックチェーンをベースにしたNFTは分散管理されているので、第三者の立場でチェックすることも可能です。ここは大きな違いです。

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