CULTURE | 2021/09/21

なぜ華丸大吉は全国各地からオファーが絶えないのか?「30代半ばで上京」の遅咲きながら登り詰めた理由【連載】テレビの窓から(10)

イラスト:IKUMA

木村隆志
コラムニスト、コンサルタント、テレビ解説者
「忖度なし」のスタンスで各媒体に毎...

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イラスト:IKUMA

木村隆志

コラムニスト、コンサルタント、テレビ解説者

「忖度なし」のスタンスで各媒体に毎月30本超のコラムを寄稿するほか、テレビ・ウェブ・雑誌などにメディア出演し、制作現場への情報提供もしている。人間関係コンサルタントや著名人専門のインタビュアーとしても活動中。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

暗い話題を避けたい人々の救いに

今や「朝8時台の顔」と言えば、『スッキリ』(日本テレビ系)の加藤浩次でも、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)の羽鳥慎一でも、『めざまし8』(フジテレビ系)の谷原章介でも、『ラヴィット!』(TBS系)の川島明でもなく、『あさイチ』(NHK)の博多華丸・大吉で間違いないだろう。

コロナ禍の現在、視聴率だけを見れば、『あさイチ』は『羽鳥慎一モーニングショー』に及ばないが、番組と出演者の好感度や親近感では圧倒的に勝っている。博多華丸・大吉への批判的な声はほとんどなく、放送内容のオリジナリティも含め、「数字以上の人気と存在感がある」と言っていいのではないか。

2人の『あさイチ』MC就任は2018年4月だが、発表当初は名コンビだった井ノ原快彦と有働由美子からの交代を不安視する向きもあった。しかし、2人は番組全体に笑いどころを増やしたほか、“朝ドラ受け”もパワーアップさせるなど、就任早々に視聴者の信頼を獲得。コロナ禍や事件事故などの暗い話題を避けたい人々にとっての救いになっている。

そしてもう1つ、博多華丸・大吉を語る上で見逃せないのが、全国各地で評価を得ていること。それぞれ個人の活動も多いが、コンビだけを見ても東京の『あさイチ』、大阪の『火曜は全力!華大さんと千鳥くん』(関西テレビ・フジテレビ系)と『教えてもらう前と後』(MBS・TBS系)、『それって!?実際どうなの課』(中京テレビ・日本テレビ系)、『華丸・大吉のなんしようと?』(テレビ西日本・フジテレビ系)と東・名・阪・福の放送局が手がける番組でMCを務めている。

MC交代や帯番組の生放送を難なくこなし、全国各地の放送局からオファーが届く博多華丸・大吉。現在、華丸が51歳、大吉が50歳の中年世代であり、結成30年を超えたベテランであるにもかかわらず、なぜこれほど幅広い層からの支持を得られているのか。

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