LIFE STYLE | 2020/10/02

うつ病で自殺未遂まで考えた48歳ボディビルダーを救ったのは1匹のチワワ。犬の保護に人生を捧げる

文:山田山太
人生には、自分ひとりの力ではどうすることもできない挫折が起こりうる。
とある犬との出会うことで、そんな...

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50匹の小型犬に囲まれて過ごす

レディとの確かな関係を築いたボビーさんだったが、いずれはロジャーの元へ返さなければならないことを考え、レディに代わる新たなチワワを探すことにした。ボビーさんは保護施設やブリーダーの元を訪れてみると、さまざまな不幸を背負った多くのチワワたちと出会った。

最初に出会った「キラ」は食事中に近づかれたりすると、過度に怒ってしまう「フードアグレッシブ」という症状を持っていた。その次に出会った「ハーレー」と「クイニー」の姉妹は近親相姦によって生まれたため、他の犬と比べ醜い見た目をしていた。いずれの3匹も誰にも引き取ってもらえなかった。

そんな犬たちの出会いを重ねたボビーさんは2018年、虐待などを受け人間から見放されてしまったチワワのための保護施設「ビッグガイ・リトルズワールド・サンクチュアリ」を立ち上げた。「自分のためを思ってくれる人がいない時の辛さを私は身を持って知っていました。この子たちにそんな思いをさせたくなかったんです」と語るボビーさん。

現在、この施設は50匹以上のチワワを保護するまでに規模を拡大。「この施設からチワワたちが離れる唯一の理由は、彼らがさらに好きな人を見つけることです」「どんな変わりものであっても彼らの美しさとユニークさを讃えられるのです」とボビーさんはチワワたちへの愛情を語った。

誰かに助けてもらったら、今度は自分が誰かの助けとなる。そんな助け合いの輪が広がっていくことで救われる多くの命があるはず。チワワたちがボビーさんのもとを離れた後も幸せな生活を送り、まただれかの支えとなっていくことを祈る。


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