文:ヤジマミユキ
目の見えない人の手となり足となり、生活を支える盲導犬。ところが、人間ではなく自分と同じ犬のお世話をしている一匹の子犬がいる。
その愛らしい姿に、一瞬で心を奪われてしまうに違いない。
緑内障で視力を奪われたゴールデン・レトリバー
イギリスのサマセット州に住むメラニー・ジャクソンさんの家族の一員であるゴールデン・レトリバーのタオ(12歳)は、2018年に緑内障と診断された。片目の摘出手術を受け、残る片方の目もいずれ失明する可能性はあったが、なんとか薬で抑えながら生活をしていた。しかし、その日は突然やってきた。2019年2月、タオは完全に視力を失ってしまったのだ。
「本当にあっという間でした。朝はとても元気だったのに、夕方に激痛に苦しみだして」と当時の様子を『THE SUN』の取材に振り返るジャクソンさん。そして、「5時間後には残る片方の眼球も摘出せざるを得ず、盲目になってしまったんです」と続けた。
暗闇の世界を明るくしてくれた盲導犬の子犬
ジャクソンさんは、視力を失ったタオには一緒に遊んだり、生活の助けになってくれるような相棒が必要だと感じ、生後8週間の子犬オコと出会わせた。2匹はすぐに打ち解け、一緒に散歩に出かけ、走り回って遊び、一緒に眠るほど仲良くなった。
「タオはまったく目が見えませんが、新しい生活にもすぐにうまく馴染んでいて本当に素晴らしい子です。ただ、走ることだけは自信が持てなかったんです。そんなタオに、オコは自信を与えてくれました」と、ジャクソンさんは『DAILY STAR』の取材に答えている。「オコは、タオに自信を与えてくれました」とも。