医療現場に求められる多様性
今回の調査の共著者であるジョージメイソン大学のブラッド・グリーンウッド氏は、黒人の赤ちゃんの死亡率における医師の人種一致の重要性についてはさらなる調査が必要としながらも、医師と母親が同じ黒人であることで信頼感やコミュニケーションが深まり、さらに白人の医師に比べて新生児医療に対する社会的リスク要因や不利益などにも敏感になるのではないかと述べている。もちろん、黒人の女性と赤ちゃんに対する白人の医師の無意識の人種差別も影響している可能性もあるだろう。
グリーンウッド氏は医療関係者の多様化が急務であることとし、「見えない偏見や固定観念が健康の人種格差を広げている要因の一つである可能性を示しています。病院その他医療機関がこうした偏見を減らし、構造的な人種差別との関わりを追求していくことが必要です」としている。
肌の色関わらず、この世に誕生した命に最善を尽くしている医療従事者が多くいることも忘れてはならない。すべての母親が安心して出産でき、赤ちゃんが安全に産まれてくることができる社会になることを願ってやまない。