Photo By Shutterstock
新型コロナウィルスの感染者数が増加し続ける中で色々な情報が飛び交っていますが、特に労働問題に関する法律や制度、コロナ禍においてよく寄せられる問題についてお答えしていきます!
渡邉祐介
ワールド法律会計事務所 弁護士
システムエンジニアとしてI T企業での勤務を経て、弁護士に転身。企業法務を中心に、遺産相続・離婚などの家事事件や刑事事件まで幅広く対応する。お客様第一をモットーに、わかりやすい説明を心がける。第二種情報処理技術者(現 基本情報技術者)。趣味はスポーツ、ドライブ。
新型コロナに感染してしまった!
Q.新型コロナに感染してしまった場合、まずはどうしたらよいのでしょう? 感染で休んだ場合にお給料はもらえるのでしょうか?
新型コロナへの感染が分かったときは、医師・保健所の指示に従い、感染のリスクがなくなるまでは職場に報告した上で仕事は休みましょう。
この場合、都道府県知事が行う就業制限による休業となりますので、使用者には給与の支払い義務はありませんので、感染で休んだ場合には、給与支給はされないことになるでしょう。
なお、感染ルートがはっきりするものであって、業務または通勤に起因して発症したものであると認められる場合には、労災保険給付の対象となります。当てはまりそうな場合は、会社や社会保険労務士、弁護士に相談してみるのがよいでしょう。
Photo By Shutterstock
コロナ解雇は有効?
Q.新型コロナウィルスの影響で売上が半減したという理由で、「仕事を辞めて欲しい」と言われました。これって違法ではないんでしょうか?
売上が半減したというだけですぐに解雇ということは認められない可能性が高いです。経営者が労働者を解雇するにあたり、正当事由(客観的合理的理由と社会的相当性)がない解雇は無効です(労働契約法16条)。
新型コロナによる影響を理由とする解雇は、「整理解雇」にあたりますが、以下の4要件(要素)により正当性が認められる必要があります。
1. 人員削減の必要性があること(人員整理の必要性)
2. 解雇を回避するための努力が尽くされていること(解雇回避努力義務の履行)
3. 解雇される者の選定基準及び選定が合理的であること(被解雇選定の合理性)
4. 事前に使用者が解雇される者へ説明・協議を尽くしていること(手続きの妥当性)
この点は専門的な判断になるため、弁護士に相談するのがおすすめです。過去の連載もご参照ください。