「死んだ方がよい」と感じていた新婦
幸せでいっぱいの新婦ハイジさんだが、一方で、今年3月に北アイルランドで公布された法律に心を痛めていた。同法は胎児にダウン症などの精神的、肉体的障害が発覚した場合、出産までいつでも中絶が認められるという内容だ。この法律にハイジさんはまるで自身が「死んだ方がいい」と言われているように感じたという。ハイジさんは1万8000件の署名を集め、法案撤廃を求める請願書を提出した。政府内でもハイジさんの署名運動が取り上げられ、現在も論議されている。
悲しみと葛藤を抱えていたハイジさんが迎えた結婚式当日。ハイジさんは『Mirror』のインタビューに、予定していた内容の結婚式ではなかったものの「私の人生で最も素晴らしい日」だったと語った。「私が教会の中を歩いたとき、とても感情的になり、興奮していました」「私は生まれてからずっと、この瞬間を夢見ていました」とも。
大勢のゲストを迎え入れた結婚式ができなかったため、2人は改めて来年に結婚パーティーを開く予定だという。現在は、ジェームズさんがハイジさんの住むコベントリーに移り住み、2人の新しい生活がスタートしている。
新型コロナウイルスにより、奇しくも大勢の人から祝福される形となったハイジさんとジェームズさん。離れた距離の寂しさを、たくさんの人の思いが縮め、生きる喜びを称えてくれる結婚式となった。