文:滝水瞳
太古の昔から共生し、絆を育んできた人間と犬。時には、犬は自らの命を投げ売って飼い主を守ろうとすることもある。
そんな中、米フロリダ州で幼い飼い主を、ボディーガードとして守り抜いた2匹の飼い犬の感動エピソードが、SNS上で話題となっている。
突如、オムツ姿のまま失踪した男の子
米フロリダ州ホームズ郡ポンセ・デ・レオンで今月3日午前、家族と自宅で過ごしていた3歳の男の子マーシャル・バトラー君が、突如行方不明になった。最後に見たとされるマーシャル君の姿は、裸にオムツ1枚だけ。飼い犬2匹も姿を消していた。
家族が1時間ほどかけて行方を探したものの見つからず、地元警察に連絡。マーシャル君の情報はすぐに警察のFacebookでも公表され、隣接するウォルトン郡からの応援やフロリダ州魚類・野生生物保存委員会ら地元当局の一斉捜索が開始された。
マーシャル君は自閉症で、道に迷っている中で誰かに遭遇してもコミュニケーションを図ることが難しい。マーシャル君のおばは地元テレビ局『WJHG』の取材に応じ、「私たちはパニックになりました」「最悪のシナリオが頭をよぎりました」と当時の様子を赤裸々に振り返った。
家族は、隣人や警察らと数時間にわたってマーシャル君を捜索。そして同日午後、自宅から約1マイル(1.6キロ)離れた川の近くでマーシャル君は無事発見された。見つかった時、マーシャル君は「バックウィート」と「ナラ」という一家の飼い犬2匹はマーシャル君にピッタリとくっつき、離れようとしなかったという。マーシャル君は土で汚れていたものの無傷で健康状態も良好だった。汚れていたのは、山林を歩いたことに加え、大好きな泥んこ遊びをしていたためだと推測された。