LIFE STYLE | 2020/06/16

ソーシャルディスタンスで座席が7割撤去。ベルリンの伝統ある劇場の衝撃の現在

文:仲田拓也
世界各国で実施されていたロックダウンの解除によって、これまで制限されていた人々の活動も少しずつではあるも...

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700席のうち約500席も座席を撤去したベルリンの劇場

劇作家のベルトルト・ブレヒトによって設立されたドイツ・ベルリンの伝統ある劇団「ベルリーナー・アンサンブル」では、劇場の700席のうち約500席も座席を撤去し、再開に備えている。残された席には個別またはペアシートのみが配置されている。

・撤去前

・撤去後

同劇団の芸術監督オリバー・リース氏は『dezeen』の取材に対して「これは新型コロナウイルスの感染対策として創造的な解決策です。現在の客席はそれ自体がインスタレーションのように見えるでしょう。またこの措置によって他の座席へのアクセスが簡単になります」「これにより社会的なルール、物理的な距離につながります」と答えている。

さらに劇場では座席の削減に加えて、ドイツのガイドラインに従い、1.5メートル以上の距離を取れるようあらゆる対策を計画している。チケットのチェックは非接触式で行われ、観客は座席につくまでマスクの着用を求められる。入場の順番も厳密に規制され、観客は6人程度の単位で客席に案内される。

劇団もこの距離のある観客にできるだけ楽しい時間を過ごしてもらいたいと考えており、リース氏は「私たちは本当に舞台に立ちたいと願っています。それは私たちの使命と義務であり、心からの願いでもあります。以前のように、普通の状態であればいいと思いますが、700人分の座席でも、200人分でも同じエネルギーを持って演じることに変わりはありません」と語っている。

今後も厳しい状況が予想される映画や演劇などのエンターテインメント。しかし、世界中の映画館や劇場の懸命な努力は、アフターコロナの我々の生活を豊かなものにしてくれるだろう。


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