LIFE STYLE | 2020/06/05

コロナリスクのある心臓疾患の赤ちゃんのため、玄関先で人知れず祈りを捧げるAmazonドライバーに感動の声

文:山田山太
未だ猛威を振るい続ける新型コロナウイルス。多くの人の体を蝕むと同時に、精神的なプレッシャーも与え続けてい...

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文:山田山太

未だ猛威を振るい続ける新型コロナウイルス。多くの人の体を蝕むと同時に、精神的なプレッシャーも与え続けている。

そんな中、とある配送業者の女性がとった行動が、世界中で多くの称賛を集めている。

インターフォンのカメラが捉えた女性

米国オレゴン州ナンパに住むラケル・ピアソンさんとデレクさん夫妻は、生後8カ月になる息子ルーカス君と一緒に暮らしていた。ルーカス君は生まれつき異所性右鎖骨下動脈という心臓疾患を患っている。さらに食事も通常通りできず、ミルクを飲むためには専用のとろみ剤が必要であるなどハンディキャップを負っていた。

ルーカス君は新型コロナウイルスのリスクに晒されており、感染すると呼吸器系に影響が出て重症化しやすいと医者から警告を受けていた。そのため、ラケルさんたちはなるべく外出を控えるようにし、買い物は基本的にオンラインに限定していた。

夫婦はそんな日々の中で、いつも荷物を届けてくれる配達員に向け、「私たちには医療を必要としている小さな息子がいて、配達は彼の健康に欠かせません。あなたたちのおかげで息子は元気に生きています」と感謝の思いを綴ったメモを玄関先に残した。

ある日、ラケルさんたちは注文したルーカス君の食事を待っていると、インターフォンのカメラにAmazonドライバーの女性の姿を見つけた。なんと彼女は玄関先までやってきて、十字を切って祈り始めたのだ。

見知らぬ人への思いやり

このAmazonドライバーの名前はモニカ・サリナスさん。運送会社で働くサリナスさんは夫婦が残したメモを見て、ルーカス君のために祈り始めたという。サリナスさんは『KTVB』の取材に「赤ちゃんの食べ物に私たち配達員が必要です、というメモに胸を打たれたんです」とコメント。「私はただ心の向くままに、赤ちゃんよその両親に祈りを捧げることにしました。なぜなら、赤ちゃんが苦しみもがく姿は家族にとって痛ましいからです」と付け加えた。「家族が日々無事過ごせることを祈っています」とも。

ラケルさんは「この状況を乗り越えるのは本当に大変だったので、見知らぬ人が息子の無事を祈るために時間を割いてくれているなんて、本当に感動しました」と語り、デレクさんも「忙しいのに、私たちにポジティブな想いを送ってくれていることはとても意味があることです。本当に感動しました」と感謝した。

夫婦は5月末、この動画をルーカス君の治療を後押しするために立ち上げたFacebookグループ「Strong Like Lucas」に投稿。すると、この動画は瞬く間に拡散していった。

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