CULTURE | 2021/07/17

TikTok で知り合った小学生女子を、自宅に連れ込んだ33歳男性。裁判官が厳しく説教した理由【連載】阿曽山大噴火のクレイジー裁判傍聴(27)

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阿曽山大噴火
芸人/裁判ウォッチャー
月曜日...

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調書に書かれていた被告の怪しい一面

最後は裁判官から。

裁判官「罪の意識は少なかったと。少しはあった?」
W被告人「はい。親御さんの許可なく会ってしまって…」
裁判官「ただ会うだけじゃなく、他人に見られない部屋に入ってますよね。罪意識あるからじゃないの?」
W被告人「少なからずありました」

と、ここから裁判官が一気にまくしたてます。

裁判官「罪の意識があまりなかったというのは事件の向き合い方としてどうなんですかね!身代金要求するのが誘拐だと思っていた、と。誘拐になるかどうかはさておき、問題になるのはわかるでしょ。捕まんなきゃわからないのかって話ですよ。大人としてやっていいのか、褒められるようなことなのか、わかんないです?」
W被告人「当時は認識が甘かったです」
裁判官「今後はどうしていくんですか?」
W被告人「実家で親に監督してもらいます…」
裁判官「33歳ですよね。行動を決めるのは誰ですか?その行動基準の話ですよ!」
W被告人「それは私です。今後は法律に従って…」
裁判官「全部の法律知ってるの?」
W被告人「いや、知らないです」
裁判官「みんなそうなんですよ。…甘い考えで、これくらいなら大丈夫じゃないかと。ルールを破らないのは当然としても、褒められるようなことじゃない行動をするんじゃないかって心配なんです!」

と、疑ってかかる裁判官。なんで、そんなに厳しいのかと思ったら、理由はあったようで、

裁判官「だって、調書読むとね、中古品を入手して、法律違反ではないけど売りさばいてたみたいじゃないですか?」
W被告人「はい、あ、それはもう警察の方にすべて返しました」
裁判官「大丈夫ですか~」

と、犯罪とまでは言わないけど、怪しげなことが調書に記載してあったので、すべてひっくるめて説教って感じですかね。

この後は、検察官の論告です。前科はなく、同種の犯行としては誘拐して支配下においたのが4時間と比較的短いし、被害女児にも怪我はないということで、懲役1年が求刑されました。

33歳にしては考え方が甘いというか、幼いというか。だから、小学生と話が合ったのかもしれませんね。W被告人のイメージしていたような身代金を要求したり、急に連れ去ったり…ばかりが誘拐ではないのです。


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