「でも、本人の意志で来てたので」罪の意識の低すぎる被告
そして、被告人質問。まずは弁護人から。
弁護人「今は実家で暮らしている、と。なんの仕事をしているんですか?」
W被告人「飲食宅配代行サービスです」
弁護人「週に何日くらい?」
W被告人「毎日配達しています」
休みなく働いているようです。今日のこの裁判が久しぶりの休みといったところでしょうか。
弁護人「被害児童に対してどんな気持ちですか?」
W被告人「親御さん含め、不安な気持ちにさせてしまい反省しています」
弁護人「どんな目的で自宅に入れたんですか?」
W被告人「共通の趣味がありまして、仲良くなりたいなぁと」
弁護人「危害を加えようとかは?」
W被告人「いや、話をして仲良くなりたいなと」
弁護人「共通の趣味って何ですか?」
W被告人「6人組の歌手がいるんですけど、互いにそのグループが好きで」
弁護人「そのグループのファン層は?」
W被告人「中高生…10代に人気ですね」
グループ名は出なかったけど、若い子に支持されている人たちのようです。そういうファンと知り合うこと目当てで好きって言ってるんじゃないかと疑いたくもなりますけどね。
弁護人「自宅に未成年の女の子を呼ぶのは犯罪だと思いませんでした?」
W被告人「犯罪とまでは考えませんでした」
弁護人「あなたは33歳、相手は未成年。なかり未熟でしたよね」
W被告人「はい…」
自分のやっていることをかなり軽く考えてたみたいですね。
弁護人「示談は成立してますけど、親御さんは被害届を取り下げずに裁判所に判断を任せると。なぜ、こんな内容なんだと思います?」
W被告人「罪を重くして欲しいという気持ちがあるんだと思います」
弁護人「それくらい怒っていると。今後ですけどね、未成年とつながりたい?」
W被告人「いいえ」
と再び同じ罪を犯すことはないと誓って、質問終了です。
続いて、検察官から。
検察官「動機は仲良くなりたかったから」
W被告人「はい」
検察官「調書を読むとね、それは性的欲求を満たすってのも含まれているようだけど?」
W被告人「いや、グループの話をして楽しい時間を過ごせればと思ってました」
検察官「あなたの調書だと、話をして、それで終わりじゃないでしょ?」
W被告人「その辺はうろ覚えで…」
検察官「添い寝してもらったって、取り調べでそんな話してません?」
それはかなり本件の印象が変わってきます。気になるその答えは、
W被告人「他の人と混同しちゃって」
添い寝は別の人だそうです。すると、検察官が驚いた表情をして、
検察官「えっ?ん?似たようなことが他にもあるってこと?」
W被告人「あ、いえ、あの…成人した女性です」
慌ててる感じだったけど、成人女性ならとりあえずOKでしょう。
検察官「さっき、犯罪とまでは考えてなかったと答えてましたけど、マズいとは考えてなかったんですか?」
W被告人「罪の意識は低かったですね」
検察官「なぜですか?」
W被告人「誘拐って、身代金を要求するとか、強引に連れ去るイメージで…。でも、本人の意志で来てたので」
無理矢理連れてきたわけじゃないから軽く考えてたってことなんでしょう。
次ページ:調書に書かれていた被告の怪しい一面