文:ブライデン範子
LGBTQの権利や平等を認めようという動きが近年加速し、性同一性障害の人が性転換をすることも珍しくなくなった。
しかし、これに乗じて人種の転換を図ろうとしたインフルエンサーが出現し、大きな物議を醸している。
15万ドル掛けて、ノンバイナリー韓国人に
イギリス生まれの白人であるオリ・ロンドンさん(31歳)は、Tiktokでおよそ50万人のフォロワーを持つインフルエンサーだ。韓国の人気アイドルグループBTS(防弾少年団)のメンバー、ジミンさんの大ファンであるロンドンさんは、18回もの整形手術を繰り返し、ジミンさんにそっくりに変身しようとした。掛けてきた金額は15万ドル(約1650万円)にも上るという。
先月投稿した動画の中で、ロンドンさんは「ついに韓国人になりました」と語り、自身を「ノンバイナリー(性自認に男女の枠組みをあてはめようとしない)韓国人」であると宣言。韓国名を「ジミン」にすると述べた。
そして、「私は自分を韓国人だと思っています。イギリス人だと思いません」と語り、「私は韓国に住んでいたことがあり、韓国語を話しています」と告白した。
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過去には等身大パネルと結婚する奇行も
ロンドンさんは長年アイデンティティについて多くの悩みを抱えていたという。そして多くの人に、この決断を尊重してほしいと訴えた。しかし、本人の期待とは裏腹に非難が殺到。「私もノンバイナリーだが、韓国人というのは国籍で性別じゃない。すべてのLGBTコミュニティを馬鹿にしている」「いくら韓国が好きでも君は決して韓国人にはなれない」など、SNSには手厳しい声が寄せられた。『TMZ』によると、殺害予告の脅迫まで受けているとのこと。
気の毒なようにも感じるが、ロンドンさんは2020年1月、ラスベガスでジミンさんの等身大パネルと結婚するという奇行に及んでおり、未だ共感は得られていない様子だ。
自由に何者にでもなれるというのが世の中の風潮だが、それを他人に認めてもらうというのは別問題だ。認められなくても構わないという位の強さを持った人だけが何者にでもなれるということなのだろう。